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ITにあまり詳しくなCIOやCDOで大丈夫?IT大好きこそ大切

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ITについては、あまり詳しくありません。きょうは、いろいろと教えて下さい。」

CIOCDOが集まるイベントでこのような挨拶をされることがあります。もちろん、謙遜のつもりだとは思うのですが、本当に大丈夫なのだろうかと思ってしまいます。

そんな発言をされるCIOにこれまでの経歴を伺うと、経理部門や経営企画部門などの管理畑を歩まれ、CIOに就任されたとのことでした。同様の発言をされるCDOに話を伺うと、長年、営業部門に籍を置かれ、デジタルを活かした新規ビジネスを立ち上げるとの役割を担い、この立場につかれたとのことでした。

就任まもない状況でもあり、「ITには詳しくない」というのもわからないではありません。しかし、そもそも、なぜITに詳しくない人が、このような役職に就かれてしまうのでしょうか。そこには、ITがまだまだ鉛筆や算盤の類であり、既存業務の効率化や利便性を高める手段であるという認識が、経営の側にあるのでしょう。

管理畑出身のCIOは、それまで担ってきた役割からからして、道具としてのITコストを少しでも抑制しようとの思惑が働くでしょう。また、リスクやコンプライアンスに必要以上に過敏となり、新しいコトへの取り組みには、なかなか踏み出せないかもしれません。

また、営業畑出身のCDOは「売上や利益の拡大」のためのデジタル活用を自らの役割だと意識されている方も多いのではないでしょうか。デジタル前提の社会になり、全社的な企業の文化や風土をそんな時代に合わせて新しく作り変えようというDXにまでは気持ちが及びません。

このような現実が、まだまだ根強く残っていることが、日本のITの貧困、あるいは、デジタルで世界と勝負できない根本の原因があるように思います。

少し歴史を巻き戻すと、インターネットが世の中に登場し、普及が始まった2000年前後、米国では、これが新しい経済や社会の基盤になると気付き、行動を起こした人たちが、いまのBigTechの礎を築き、デジタルをビジネスの武器として積極的に活かすビジネス文化を育みました。

もちろん日本にもそういう人たちもいたわけですが、大半の人たち、特にITに関わる人たちは、「安い通信回線」として受け止めていた様な気がします。

また、2006年にAWSがクラウド・サービスを始めると、米国では、コスパの優れたクラウドをどう使いこなそうかと多くのユーザー企業が、試行錯誤を始めました。それがクラウドの充実と普及を加速したのです。一方、日本では、「セキュリティが心配」とか「ガバナンスに問題がある」とかの理由で、検討さえ行わず従来通りのやり方を頑なに守ろうとしました。

これには、SI事業者の責任が大きかったと思います。ユーザー企業から自社のITを一切合切まかされていたSI事業者にとっては、クラウドによって、システムの構築や運用などのエンジニアリング・コストが大幅に下がり、収益を失うことになります。一方で、システムに関わるリスクを一切合切背負わされており、それがいままで通りですからクラウドを使うことには消極的になるのも当然です。

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一方、システムの開発や運用を内製する米国のユーザー企業は、クラウドによるコスト低減は直接的なメリットがあります。リスクもこれまで通り、自分たちが背負うわけですから、クラウドの利用には積極的でした。そんなITにかかわるビジネス文化の違いが、いまの大きな格差となっているのかもしれません。

CIOCDOを担う人たちは、システムの開発や運用の経験があり、ITに精通した人であるべきだと思います。もちろんそれだけでは不十分です。経営の視点からITを捉える眼力も必要であることは言うまでもありません。

IT経験がなかったとしても、「ITに精通する」ことはできます。自らも勉強するのは当然として、優れたIT経験者を腹心に据えることで、ITの眼力を補うことができるでしょう。

いまだITが効率化や利便性を向上させる手段として捉えている限り、その役割を担うことはできません。IT前提で経営や業務の「あるべき姿」を捉え直し、いまの時代の最適を模索する気構えがなくてはなりません。

例えば、次のようなことです。

  • 生成AIを使うことを前提に、業務の仕組みはどのように変えることが最適だろうか。
  • クラウドを使うことを前提に、雇用制度や働き方、組織や意志決定のプロセスをどのように変えればいいのだろうか。
  • AIやデジタルツールを駆使することで、ものづくりのあり方をどのように作り変えれば競争優位を気付だろうか。
  • デジタル・ネイティブなZ世代を顧客に取り込むには、どのような顧客接点やマーケティング戦略を展開すればいいのだろうか。

こんなことを苦もなく楽しく四六時中考えられる人にこそ、CIOCDOの役割を担ってもらえればと思いますね。

例え、「ITについて詳しくなく」ても、「ITが大好き」であり、新しい技術やサービスに「わくわくする」人であることが大切だと思います。そんな感性の持ち主が、事業や経営についての知識や経験を持ち、采配をとってこそ、本来の役割が果たせるのではないでしょうか。そして、デジタル前提の変革=DXを牽引してくれるのだと思います。

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これからは、「ITリテラシーが必要だ!」と言われても、どうやって身につければいいのでしょうか。
「DXに取り組め!」と言われても、これまでだってデジタル化やIT化に取り組んできたのに、何が違うのかわからなければ、取り組みようがありません。
「生成AIで業務の効率化を進めよう!」と言われても、"生成AI"で何ですか、なにができるのかもよく分かりません。
こんな自分の憂いを何とかしなければと、焦っている方も多いはずです。

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