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【図解】コレ1枚でわかるAIの分類方法(2):弱いAIと強いAI

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前回紹介した「AI」と「AGIは、「人間同様に広範な課題を処理できるかどうか」という基準での分け方ですが、これとは別に、「人間同様の意識や知性を持つかどうか」が基準の「弱いAI」と「強いAI」という分け方があります。

「弱いAI」とは、「人間の知性の一部分のみを代替し、特定の知的処理だけを実行するAI」です。これは人間の脳の仕組みや、そこで行われる知的処理をまねるのではなく、結果として、「人間がやっていることと同様」の知的処理の成果が得られれば良いという考え方です。

これに対して、「強いAI」は、「人間のような意識を備え、人間同様の知能を必要とする作業を実現するAI」です。つまり、人間が持つ、意識や知性のメカニズムを解明し、人間の脳と同じ仕組みを人工的に実現しようという考え方です。これについては、人間の意識や知性を生みだしている「脳の仕組み」が未だ解明できていないわけですから、それを実現する方法も分かっていません。

「強いAI」は、「人間の脳の仕組みを模倣し、人間同様の意識や知性を人工的に再現する」ことを目指していますが、「AGI」は、「特定の課題にのみ対応するのではなく、さまざまな課題を処理できる」単一のソフトウェアを目指しています。それができるのなら、脳と同じ仕組みである必要はありませんから、「AGI=強いAI」ではないことに留意すべきです。

また、完全な「汎用」でなくても、ある程度の範囲で「汎用」であれば、実用面での利用範囲は拡がります。例えば、数値/画像/テキスト/音声などの異なる種類の知的処理を1つのプログラムで処理できるAIです。これを「マルチモーダルAI」と呼びます。自己学習能力を持つAGIとは異なりますが、既に実用段階にある技術です。

ただ、急速に性能を向上させている生成AIが、人間とは違うメカニズムで、「意識」を生みだしているのではないかという研究報告もあり、従来からの「弱いAI」と「強いAI」という区分は、もはやなり立たないのかも知れません。

研究者たちの知的好奇心は、やがては、「AGI」や「強いAI」を実現するのかも知れません。しかし、その見通しは不透明で、ハードルは相当に高いでしょう。ならば、実用の観点から、まずは、「AI」あるいは「弱いAI」、さらには、実用の途上にある「マルチモーダルAI」に着目すべきかもしれません。

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