【図解】コレ1枚でわかるDXの実現を支える4つの手法と考え方
「デザイン思考(Design Thinking)」とは、「デザイナー的なクリエイティブな視点で、最適な解決策を見つけ出す手法」です。ロジカルに物事を整理して課題解決を図るのとは対照的に、クリエイティブな思考で問題を解決しようというわけです。これを実践するには、常にユーザー視点に立ち、ユーザーが本当に悩んでいることは何か、どう解決すべきか、なぜ必要なのか、ユーザーが価値を感じるポイントはどこかなどを考え、活発でオープンなコミュニケーションを交わして多くの人の知恵を引き出し、アイデアを固めていきます。ただ、アイデアに完璧を求めず、早々にプロトタイプを作り、試行錯誤を繰り返しながら、最適な解決策を見つけ出していきます。
「リーン・スタートアップ(Lean Startup)」とは、新規事業の成功確率を高めるための方法論です。新規事業のアイデアがうまくいくかどうかを、コストをかけず最低限の機能に絞った試作品を作って顧客に提供し、その反応を観察、分析して改善します。市場価値が無いとわかれば撤退も考慮します。これを短期間に繰り返すことで、新規事業の成功確率を高めようというわけです。
「アジャイル開発」とは、いまの最善を徹底し追求し、システムを開発する手法です。不確実な未来予測し、使うかも知れないなどの推測も交えた仕様に従って全てを作るのではなく、必ず使うプログラムのみに絞り込み、期待される成果に応じて優先順位を決めて作ります。1または2週間程度の短いサイクルでユーザーのフィードバックを得ながら、完成度を高め、機能を積み上げてゆきます。ビジネスの現場がこれで十分と判断すれば完成です。
「DevOps(Development & Operation)」とは、開発したら本番に移行しても安定稼働を実現する取り組みです。システムが完成しても、直ちに本番環境に移行できなければ、現場の要請に即応できません。一方で、十分にテストしていないシステムを本番環境に投入すれば安定稼働が保証できません。この両者の対立を解消し、開発されたシステムを直ちに、そして頻繁に本番環境に移行するための仕組み作りを、開発と運用が連携して実現しようというわけです。
デザイン思考とリーン・スタートアップでイノベーションを創発し、アジャイル開発とDevOpsを駆使してジャスト・インタイムで現場にサービスを提供する。この一連の取り組みを繰り返してゆくことが、DXの実践を支えます。