【図解】コレ1枚でわかる2つのデジタル化とDXの関係
以前の記事で、2つの「デジタル化」について、説明しました。ひとつは、デジタル技術を利用してビジネス・プロセスを変換し、効率化やコストの削減、あるいは付加価値の向上を目指す「デジタイゼーション(digitization)」です。もうひとつは、デジタル技術を利用してビジネス・モデルを変革し、新たな利益や価値を生みだすことを目指す「デジタライゼーション(digitalization)」です。
これら2つのデジタル化は、DXが語られる以前から使われてきた言葉で、多くの企業が、この2つのデジタル化に、これまでも取り組んできました。そんなデジタル化とDXとは、何がちがうのでしょうか。
これまで述べてきたとおり、DXとは、「デジタル前提の社会に適応するために、会社を作り変えること」です。その意味では、これら2つのデジタル化は、DXの実践に、欠かすことのできない要件です。
そんなDXの狙いは、「変化に俊敏に対処できるアジャイル企業に変わること」です。つまり、「デジタイゼーション」と「デジタライゼーション」を短い期間で、何度も繰り返しできる会社になることが、DXとなるのです。
変化が速く予測できない社会にあっては、いまの正解の賞味期限は短く、予期せぬ出来事も頻発します。だから、改善を高頻度で繰り返し、新しいことを短期間のうちに何度も生みだせなくてはなりません。
DXとは、デジタルを使って業務を効率化することや新しいビジネス・モデルを生みだすこととは、同義ではありません。ましてや、デジタル・ツールを使えば、「DXをやったことになる」わけでもありません。
高速、高頻度に2つのデジタル化を繰り返すことができる、組織や体制、意思決定プロセスや業績評価基準などを整えること、つまり「デジタル化のスピードを上げること」がDXということになります。
このようなデジタル化とDXの理解が曖昧なままでは、DXと言いつつも、これまでのデジタル化の取り組みの範疇に留まり、その進捗や成果を正しく評価できません。さらには、「デジタル・ツール」を使うことで、「DXをやっていること」にして、その成果を「DXの実践例」として、経営者にアピールしようとする不心得な輩を生みだすことにもなりかねません。経営者やDX推進組織は、この基本を現場に徹底させることが、DXに取り組むためには、欠かせません。
締め切り間近 次期・ITソリューション塾・第45期
2024年2月14日[水]よりの開講いたします。
次期、ITソリューション塾では、臨時補講として「生成AIの実践ノウハウ」をこの分野の第一人者にお願いしました。また、特別補講では、「トヨタのデータ&デジタル戦略の最前線」をド真ん中の当事者に語っていただきます。
ご参加をご検討頂ければ幸いです。
- SI事業者/ITベンダー企業にお勤めの皆さん
- ユーザー企業でIT活用やデジタル戦略に関わる皆さん
- デジタルを武器に事業の改革や新規開発に取り組もうとされている皆さん
- IT業界以外から、SI事業者/ITベンダー企業に転職された皆さん
- デジタル人材/DX人材の育成に関わられる皆さん
そんな皆さんには、きっとお役に立つはずです。
詳しくはこちらをご覧下さい。前期・第44期の講義のダイジェスト動画も掲載していますので、よろしければご覧下さい。
- 期間:2024年2月14日(水)〜最終回4月24日(水) 全10回+特別補講
- 時間:毎週(水曜日*原則*) 18:30〜20:30 の2時間
- 方法:オンライン(Zoom)
- 費用:90,000円(税込み 99,000円)
- 内容:
- デジタルがもたらす社会の変化とDXの本質
- IT利用のあり方を変えるクラウド・コンピューティング
- これからのビジネス基盤となるIoTと5G
- 人間との新たな役割分担を模索するAI
- おさえておきたい注目のテクノロジー
- 変化に俊敏に対処するための開発と運用
- アジャイルの実践とアジャイルワーク
- クラウド/DevOps戦略の実践
- 経営のためのセキュリティの基礎と本質