転職と独立とあなたの社会的価値について
終身雇用は幻想となりました。そんな時代だからこそ、どこででも働ける自分になること、すなわち「社会的価値」を高めてゆくことに、真摯に向き合わなければなりません。
私自身、還暦を過ぎ、この現実を身につまされる思いで向きあっています。わかりやすく言えば「恐怖」です。この「恐怖」に目をつぶっていても逃れることはできない以上、どうすれば自分の社会的価値を高められるかに向きあうしかありません。会社や組織という看板など、守ってくれるものは何もありません。自分の行動や発言が世の中に晒されるわけで、それ次第では、仕事や収入が大きく変わってしまいます。
私は、36歳の時にサラリーマンを辞めて独立しました。その時は勢いであり、まあ何とかなるだろうと気楽に考えていました。しかし、世間はそんなに甘いものではありませんでした。いろいろなことがありましたが、だからこそ覚悟ができたと思っています。本当の覚悟は、行動を起こすからこそ築かれるのです。
転職する、あるいは独立するかどうかを考えている人がいらっしゃるかもしれません。私は、そんな想いを応援したいと思います。ただ、ひとつ考えて欲しいことは、それが自分の「社会的価値」を高めることができるかどうかです。
「社会的価値」とは、会社や地域の文脈に依存せず広く社会に求められる存在であることを意味します。「社会的価値」を手に入れるには、リスクを冒してでも、自らを世間に晒し、様々な人のつながりやいろいろな経験を通じて、自らの覚悟を育ててゆくことです。それは、必ずしも転職や独立をしなくてもできることです。
もちろん、そんな機会も与えられないほどにブラックな職場であるのなら、とっととそんな会社を辞めて環境を変えた方がいいでしょう。でも、もしそうでないとすれば、自分は、「社会的価値」を高めることに関心を持っているのか、そのための行動をしているのかをまずは問うべきかも知れません。それは、いまの会社にいてもできることです。
確かに環境が変われば、気分も一新して、頑張れる気になるかも知れません。しかし、それはきっかけにすぎません。成り行きでは「社会的価値」を高めることはできません。そのための行動を起こすことは、自分の意志であり、まわりが与えてくれることではありません。たとえ、環境が変わっても、また同じをことを繰り返すだけになってしまいます。
まずは行動することです。「まずは覚悟を決めてから」などと行動を先送りしてはいけません。行動すれば、その結果として、覚悟は固まります。「どこででも働ける」能力とは、そんな行動習慣を持っているかどうかです。
では何をすればいいのでしょうか。いろいろと理屈を考えるのではなく、自分の感性に従って「面白そうだからやってみる」ことから始めることです。これをやれば給与が上がる、待遇が良くなるではありません。ITに関わる仕事をしている方ならこの意味がよく分かると思いますが、いまの流行なんて長続きしないのです。自分の向き不向きも、過去の限られた経験の中での勝手な思いこみです。それが正しいという保証はどこにもありません。だから面白そうなことに飛びつき、徹底していじり倒し、また新しいことが登場したら、また飛びついてみる。そういう感性が必要なのだろうと思います。
そうすれば、それにまつわる情報は集まり、人のつながりは増え、アウトプットの機会も与えられ、自分を世の中にさらけ出す機会はどんどんと増えてゆきます。自ずと、自分の向き不向きも見えてくるでしょう。結果として、自分の覚悟は固まり、社会的にも存在感を高められるようになるはずです。
そういう人材は、いまの会社も求めているし、どこでも働けますから、選択の自由は拡がります。ますます、自分の「社会的価値」を高める機会が増えてゆく、成長のサイクルに乗ることができます。
ところで、「社会的価値」を高めるためのツールについても、少し触れておこうかと思います。
言うまでもなく、「社会的価値」の本質は、行動習慣と、その結果としてもたらされる覚悟です。しかし、次の3つのツールを使いこなすことができれば、そんな「社会的価値」を高めることに役立つでしょう。
ひとつ目は、「書く」ことです。それも、単語の羅列や箇条書きではなく、文章として書けるようにすることです。
単語の羅列や箇条書きは簡便ですが、重大な弱点があります。それは、言葉の要素や概念のあいだに「論理」をつくれないことです。羅列や箇条書きで、関係や構造を考えないまま書き出しだけでは、安易な達成感を味わってしまい、分かった気になってしまいます。当然そんな中途半場な知識では、人に何かを説明するにも筋の通った説明ができません。それが習慣化すると致命的です。
羅列や箇条書きではなく文章にすると、自分の理解の度合い、つまり論理を伴う理解の程度が「見える化」されます。例えば、論理がないと、唐突な展開や文意が通りませんし、単調でつまらないものになってしまいます。文章にして「見える化」することで、はじめてそのことが分かります。だから羅列や箇条書きではなく文章にすることが大切になるのです。
それは、自ずと、他人にも伝わりやすいものになり、自分の存在を分かりやすく伝えることにもなります。
ふたつ目は「描く」ことです。分かりやすい図表やチャートで表現することです。「書く」ことで、自分の知識を見える化し、論理構造を与えます。それを誰が見ても直ぐに分かる絵に「描く」ことで、効率よく、そして深く他人に自分の考えを伝えることができます。
絵は文章以上に一人歩きしやすく、印象に残りやすいものです。その価値を駆使できれば、多くの人たちに自分の存在を印象づけることができます。
3つ目は、「話す」ことです。話す上で大切なことは、確信と論理です。確信とは、自分が伝えようとしている内容に迷いがない、大好きである、是非とも伝えたいというパッションです。論理とは、「書く」と同様に、「筋の通った説明」であり、矛盾なく相手に伝えることができることです。
話すテクニックは、確信と論理が前提になければ役に立ちません。テクニックで大切なことは、適切な例え話、緩急とメリハリ、対話力でしょう。例え話は、相手にとって身近な例を引き合いに出して物事の本質を直感的に理解させること、緩急とメリハリは、何が大切かを明確に伝えること、対話力とは、相手の表情や場の雰囲気、質問や反応に臨機応変に対処して相手の知りたいことを伝え、相手の感情の機微に合わせることで、心地よさを与えることです。
例え知識や能力があり、「自分には社会的価値がある」と思っていても、それが相手に伝わらなければ、社会的価値はないも同じです。社会的価値があるかどうかは、自分が決めるのではなく、相手が、あるいは世間が決めることだからです。「書く」、「描く」、「話す」、そのために欠かすことができないツールなのです。
もちろん、そのツールを鍛えてゆくことはなかなか大変なことです。だからこそ、リスクを冒してでも、自らを世間に晒し、様々な人のつながりやいろいろな経験を積極的に作り、このツールを実践で磨く機会を増やしてゆく必要があるのです。
転職や独立を志す人たちを、私は心から応援したいと思っています。ただ、それを目的にしないことです。目的は自分自身の人生を豊かに、生きがいのあるものにするために「社会的価値」を高めることです。転職や独立はそのための手段であると心得るべきでしょう。その心構えがあり、いまの会社の中でも、既に「社会的価値」を高めるための行動している人であれば、自ずと転職や独立もうまくと思います。
不確実性の高まる世の中にあって、長期安定した未来を描くことなどできない時代になりました。だからこそ、頼れるのは自分自身しかありません。もはや自分の「社会的価値」を高めてゆくことでしか、これからの100年人生を生き抜くことはできないと、覚悟を決めるしかないように思います。
7月30日 八ヶ岳の森でヨガ@神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO
気温が急に上がったり、湿度が高かったり、部屋の中はクーラーが効きすぎていたりと、気温の変化が激しく身体も疲れやすい毎日ですが、森の中でヨガをして心身のコンディショニングを整えましょう!
今月は下半身、特に股関節を重点に置いてヨガをしていきます✨
八ヶ岳の森に浮かぶ大きなテラスで、森の精気にも助けてもらい、最高なリフレッシュメントを体験してください。
レッスンでお会いできるの楽しみにしています!詳しくはこちらをご覧ください。
ヨガ・インストラクター "yo"
- RYT200ヨガインストラクター取得
- 健康運動指導士
- 準中級レクリエーション•インストラクター
- 初級障がい者スポーツ指導員
持ち物 :動きやすい服装、ヨガマット、タオル、飲み物など。八ヶ岳の天然水は飲み放題!
雨天決行:屋根付きの森のテラスなので、雨天でも大丈夫です。
お食事等:地元の食材や無添加にこだわったランチ、地元果物の手作りのジュース/ソーダ、スイーツなども提供しています(有料)。
参加費 :1,000円(税込み) *現地にてお支払いください。キャッシュレス(クレジットカードやPayPayなどが使えます)。
【募集開始】新入社員のための「1日研修/1万円」・最新ITトレンドとソリューション営業
最新ITトレンド研修
社会人として必要なデジタル・リテラシーを手に入れる
ChatGPTなどの生成AIは、ビジネスのあり方を大きく変えようとしています。クラウドはもはや前提となり、ゼロトラスト・セキュリティやサーバーレスを避けることはできません。アジャイル開発やDevOps、マイクロ・サービスやコンテナは、DXとともに当たり前に語られるようになりました。
そんな、いまの常識を知らないままに、現場に放り出され、会話についていけず、自信を無くし、不安をいだいている新入社員も少なくないようです。
そんな彼らに、いまの常識を、体系的にわかりやすく解説し、これから取り組む自分の仕事に自信とやり甲斐を持ってもらおうと、この研修を企画しました。
【前提知識は不要】
ITについての前提知識は不要です。ITベンダー/SI事業者であるかどうかにかかわらず、ユーザー企業の皆様にもご参加頂けます。
新入社員以外のみなさんへ
新入社員以外の若手にも参加してもらいたいと思い、3年目以降の人たちの参加費も低額に抑えました。改めて、いまの自分とこれからを考える機会にして下さい。また、IT業界以外からIT業界へのキャリア転職された方にとってもいいと思います。
人材育成のご担当者様にとっては、研修のノウハウを学ぶ機会となるはずです。教材は全て差し上げますので、自社のプログラムを開発するための参考にしてください。
書籍案内 【図解】コレ一枚でわかる最新ITトレンド 改装新訂4版
ITのいまの常識がこの1冊で手に入る,ロングセラーの最新版
「クラウドとかAIとかだって説明できないのに,メタバースだとかWeb3.0だとか,もう意味がわからない」
「ITの常識力が必要だ! と言われても,どうやって身につければいいの?」
「DXに取り組めと言われても,これまでだってデジタル化やIT化に取り組んできたのに,何が違うのかわからない」
こんな自分を憂い,何とかしなければと,焦っている方も多いはず。
そんなあなたの不安を解消するために,ITの「時流」と「本質」を1冊にまとめました! 「そもそもデジタル化,DXってどういう意味?」といった基礎の基礎からはじめ,「クラウド」「5G」などもはや知らないでは済まされないトピック,さらには「NFT」「Web3.0」といった最先端の話題までをしっかり解説。また改訂4版では,サイバー攻撃の猛威やリモートワークの拡大に伴い関心が高まる「セキュリティ」について,新たな章を設けわかりやすく解説しています。技術の背景や価値,そのつながりまで,コレ1冊で総づかみ!
【特典1】掲載の図版はすべてPowerPointデータでダウンロード,ロイヤリティフリーで利用できます。社内の企画書やお客様への提案書,研修教材などにご活用ください!
【特典2】本書で扱うには少々専門的な,ITインフラやシステム開発に関わるキーワードについての解説も,PDFでダウンロードできます!
2022年10月3日紙版発売
2022年9月30日電子版発売
斎藤昌義 著
A5判/384ページ
定価2,200円(本体2,000円+税10%)
ISBN 978-4-297-13054-1
目次
- 第1章 コロナ禍が加速した社会の変化とITトレンド
- 第2章 最新のITトレンドを理解するためのデジタルとITの基本
- 第3章 ビジネスに変革を迫るデジタル・トランスフォーメーション
- 第4章 DXを支えるITインフラストラクチャー
- 第5章 コンピューターの使い方の新しい常識となったクラウド・コンピューティング
- 第6章 デジタル前提の社会に適応するためのサイバー・セキュリティ
- 第7章 あらゆるものごとやできごとをデータでつなぐIoTと5G
- 第8章 複雑化する社会を理解し適応するためのAIとデータ・サイエンス
- 第9章 圧倒的なスピードが求められる開発と運用
- 第10章 いま注目しておきたいテクノロジー
神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO
8MATOのご紹介は、こちらをご覧下さい。