オルタナティブ・ブログ > ITソリューション塾 >

最新ITトレンドとビジネス戦略をわかりやすくお伝えします!

営業はお客様の「手足」になるのではなく「頭脳」になれ

»

ITあるいはデジタル・テクノロジーの積極的な活用が、事業戦略上不可避であるとの認識は、もはや広く行き渡っている。しかし、何をすればいいのか、どのように取り組めばいいのか、お客様もまた答えを持っていない。こんなお客様に「何をすればいいかを教えてくれれば、それを適正価格で納期や品質を守って確実に実現します」と訴えても、何をトンチンカンなことを言っているのだと追い返されるだけだ。

また、自分たちにできること、あるいは自社のサービスや製品の範疇でしか語れないとすれば、それが最適な解決策なのかは分からない。お客様が知りたいのは「自分たちは何をすべきか」であり、「貴方たちに何ができるか」ではない。

お客様は、経営や事業に踏み込んで、何をどう変えてゆけばいいのかを一緒に考え、テクノロジーやビジネスのトレンドから助言を与えてくれることを期待している。主導権をお客様に委ね、自分たちはサポート役の立場を越えようとしなのであれば、解決策など描けない。営業は、こんなお客様の期待に応えられなくては、案件を獲得することはできなくなるだろう。

ITを含むデジタル化投資はデジタル・トランスフォーメーションの実現にシフトしてゆく。これからのビジネスのチャンスは、ここに関わってゆけるかどうかにかかっている。

営業は案件獲得のきっかけの作り方を変えなくてはならない。つまり、お客様の「手足」となって「お客様の求める要求」に応えることではなく、「お客様の求める要求」そのものを生みだすことにかかわってゆく必要がある。そのためには、「何をすればいいのかをお客様に提言する」ことからはじめてはどうだろう。

8a4f3e593722b23667390027af517955.jpg

そのためには、お客様の業務や経営を深く考察し、最適な手法やサービスを目利きし、「あるべき姿」を想像できなくてはいけない。そして、「なるほど!」と感じてもらえる提言をし、お客様の心を掴むことだ。それをきっかけに、お客様と議論や対話を深めてゆく。こういう取り組みが案件獲得につながる。

また、この営業と話しをすると勉強になるし、いろいろと気付きを与えてくれる。知らなかったことを教えてくれる。よしやってみようという勇気をもらえる。そんなお客様の良き相談相手であること、つまり客様の「頭脳」になることへと営業を変えてゆく必要がある。それができなければ、提案の入口さえも見いだせなくなるだろう。

テクノロジーの進化と適応範囲の広がり選択肢の多様化は、営業にとって、やっかいな話しかも知れないが、それはお客様に取っても同じことだ。こういう状況だからこそ、お客様の業務や経営を理解し、あるべき姿を描き、選択肢を適切に絞り込める人材こそが、求められている。

もはや優秀な営業の基準は、かつての「QCDコーディネーター」ではなく「あるべき姿プロデューサー」である。お客様にとっては大変なことであるからこそ、それができれば、お客様に評価され、信頼され、案件につながることを忘れてはいけない。

新入社員のための 「ソリューション営業の基本と実践・1日研修」

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【7月度のコンテンツを更新しました】
======
・新入社員のための最新ITトレンド1日研修・2021年版 改訂
・一般社員向け最新のITトレンドとビジネス戦略・1日研修パッケージ 改訂
・ブロックチェーンの資料を分かりやすくしました
======
研修パッケージ
・【改訂】総集編 2021年7月版
・【改訂】DX基礎編 デジタルトランスフォーメーションの本質とビジネス戦略
・【改訂】最新のITトレンドとビジネス戦略 1日研修パッケージ
・【改訂】新入社員のための最新ITトレンド1日研修・2021年版・パッケージ 
======
ビジネス戦略編・DX
【新規】デジタル化とはレイヤ構造化と抽象化/デジタル化以前 p.9
【新規】デジタル化とはレイヤ構造化と抽象化/デジタル化以降 p.10
【新規】デジタル化とはレイヤ構造化と抽象化/社会構造の変化 p.11
【新規】見せかけのDXと本物のDX p.79
【新規】デジタルで"何"を変革するのか p.80
【新規】DXのメカニズム p.107
開発と運用編
【新規】DevOpsのメリット p.70
サービス&アプリケーション・先進技術編/AIとデータ
【改訂】ニューラル・ネットワークの仕組み p.86
クラウド・コンピューティング編
【新規】マルチクラウドのメリット p.77
【新規】クラウド各社のコンテナ展開 p.78
【新規】Googleのマルチクラウド戦略 p.79
【新規】Microsoftのマルチクラウド戦略 p.80
【新規】IBMがRed Hatを買収(2018.10) p.81
【新規】OpenShiftによる統合 p.82
【新規】マルチクラウドへの取り組みの差 p.83
テクノロジー・トピックス編
【改訂】Armのビジネス・モデル p.19
【新規】競合他社の懸念 p.33
【新規】半導体(CPU)を取巻く市場環境の変化 p.34
【新規】半導体を巡るこれからの動き p.35
【新規】Linuxのビジネスモデル p.78
【新規】オープンソース開発の実際 p.79
【新規】OSSのビジネスモデル p.80
【新規】OSSへの誤解 p.81
【新規】OSSは利用者とベンダーの双方にメリットがある p.82
テクノロジー・トピックス編/ブロックチェーン
【新規】NFT: Non Fungible Token/非代替性トークン p.5
【新規】ブロック・チェーンの構造 p.11
【新規】ブロック・チェーンの構造 / Proof of Work p.12
【新規】ブロック・チェーンの構造 / 改竄が困難な理由 p.13
【新規】ブロック・チェーンの種類 p.18
下記につきましては、変更はありません。
 ITインフラとプラットフォーム編
 ITの歴史と最新のトレンド編
 サービス&アプリケーション・基本編
 ビジネス戦略編・その他
 サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT

Comment(0)