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講師力は編集力

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私が運営する「LiBRA/ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー」には3000枚を超える(たぶんもっとある)プレゼンテーションがアーカイブされ、会員であれば誰でもダウンロードできて、ロイヤリティ・フリーで使えるようになっている。

ここに掲載しているプレゼンテーションは、私が行う講演や講義のために作ったものが大半だが、明確な目的がないままに、本を読んで、人の話を聞いて、あるいは突然ひらめいて、「これは絵になりそうだ、まとめてみよう」と好奇心で作ったものも相当に含まれている。

そんなことで溜まっていったわけだが、いわばこれが私のプレゼンテーションの素材となっている。

ただ、大切なことは個々にアーカイブされているのはプレゼンテーションの素材ではあってもプレゼンテーションのコンテンツそのものではない。なぜならば、素材にはは目的もなければ、その目的に沿ったコンテクストもないからだ。

講義や講演というのは、必ずそこに意図があり目的がある。昨日のブログでも書いたが、そこをはっきりさせないままの講義や講演はだいたいが失敗に終わる。だから意図や目的をしっかりと確認し、その目的が達成できるようにコンテクストを描き、それに沿った素材の組み合わせを作り上げてゆく。

しかし、既存の素材を組み合わせるだけでうまくいくとは限らない。意図や目的がこれまでには経験のないことであったり、新しい情報や世の中の変化、この人たちならば、こういうネタの方がわかりやすいすいだろうと思いを巡らし、新しい資料をクリエーションしたりする。そうやってまた新しい素材がうみだれてゆく。

そうした素材を、コンテクストを考えながら入れ替えたり組み替えたり、順序を変えてみたりを繰りかえす。既存の素材を手直しすることもある。そういうプロセス、すなわち編集を経て作り上げるのが講義や講演で使うプレゼンテーションとなる。

例えば、「最新のITトレンド」について話をして欲しいというご依頼があったとしよう。その対象者がIT業界の人なのか、ITをまったく知らない人なのか、あるいは新入社員なのかによって、同じ素材を使ってもまったく編集は違ってくる。

IT業界の人たちが相手であれば、従来までのレガシーITといま必要とされているモダンITの違い、そのためにどのようなスキル・チェンジやビジネスの変革が必要か、どのような業績評価基準や経営戦略に移行すべきなのかを語らなくてはならない。

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ITをまったく知らない人たちならば、自分たちの仕事が、あるいは自分たちの会社の収益のあげ方がどのように変わるのか、ハイパーコンペティションやダイナミック・ケイパビリティ、デジタル・デスラプションといったビジネス戦略に重きを置く。

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新入社員であれば、ITの社会的な価値やその責任の大きさ、大きな可能性や未来、そこで働くことの誇りと夢、どうやって自分のスキルを磨き成長させてゆくべきかを伝えなくてはならない。

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同じ素材を使いながらも、編集によって目的に応じたコンテンツを変えてゆくことが大切であり、その編集力こそが講師力の本質と言えるだろう。

ついでながら、宣伝ではあるが、そんな編集の1つのかたちとして24日からITソリューション塾・第33を開講する。毎週2時間、ITに関わる仕事をしている人たち、すなわちIT業界や情シスの人たちを対象とした研修だ。多彩な講師陣をお招きして、理屈だけではなく実学も踏まえたITの最新トレンドやビジネス戦略について学び考え頂く。だれを招くか、その組合せもまた編集である。ご興味があれば、ご参加をご検討ください。

【募集開始】第33期 ITソリューション塾

遠隔地からもオンラインでご参加いただけます。

ITソリューション塾・第33期(2月4日開講)の募集を開始しました。
既に多くの方からお申し込みをいただいております。

次の特別講師にもご登壇頂きます。
・デジタル・トランスフォーメーションと次世代ERP・SAP Japan 社長 福田譲 氏
・ゼロトラスト・ネットワーク・セキュリティとビジネス戦略・日本マイクロソフト CSO  河野省二 氏
・アジャイル開発とDevOpsの実践・戦略スタッフ・サービス・代表取締役 戸田孝一郎 氏

デジタル・トランスフォーメーションを軸に、AIやIoT、クラウドやインフラ、これからのビジネス戦略について、体系的かつ網羅的に整理してゆきます。

特にDXについては、事業戦略や実践と絡めながら丁寧に話をして行こうと考えています。

ぜひ、ご参加下さい。

  • 日程 初回2020年2月4日(火)〜最終回4月18日(水)
  • 毎週18:30〜20:30
  • 回数 全10回+特別補講
  • 定員 80名
  • 会場 アシスト本社/東京・市ヶ谷
  • 料金 ¥90,000- (税込み¥99,000)全期間の参加費と資料・教材を含む参加登録された方はオンラインでも受講頂けます。出張中、あるいは打ち合わせが長引いて間に合わないなどの場合でも大丈夫。PCやスマホからライブ動画でご参加頂けます。

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【12月度のコンテンツを更新しました】
・総集編の構成を1日研修教材としてそのまま使えるように再構成しました。
・最新・ITソリューション塾・第32期の講義資料と講義の動画(共に一部)を公開しました。

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総集編
【改訂】総集編 2019年12月版・最新の資料を反映しました。
*1日研修で使える程度に、内容を絞り込みました。
パッケージ編
ITソリューション塾(第32期)
【改訂】ビジネス・スピードを加速する開発と運用
動画セミナー・ITソリューション塾(第32期)
【改訂】ビジネス・スピードを加速する開発と運用
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ビジネス戦略編
【新規】変革とは何をすることか p.4
【新規】イノベーションとインベンションの違い p.8
【改訂】デジタル化:デジタイゼーションとデジタライゼーション p.37
【新規】経済政策不確実性指数(EPU)p.38
【新規】デジタル・ディスラプターの創出する新しい価値 p.41
【新規】ハイパーコンペティションに対処する適応力 p.42
【新規】価値の重心がシフトする情報システム p.54
【新規】複雑性を排除してイノベーションを加速する p.55

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoT実践の3つの課題 p.74

ITインフラとプラットフォーム編
【新規】ゼロ・トラスト・ネットワーク 境界型セキュリティの限界 p.110
【新規】ゼロ・トラスト・ネットワーク セキュリティと生産性の両立 p.111

開発と運用編
【改訂】改善の4原則:ECRS p.5
【新規】ITの役割の歴史的変遷 p.8
【新規】アジャイル開発:システム構築からサービスの提供(体制変化) p.11
【新規】仮想マシンとコンテナの稼働率 1/2 p.60
【新規】仮想マシンとコンテナの稼働率 2/2 p.61
【改訂】DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア p.63
【新規】モビリティの高いコンテナ p.65
【新規】モノリシックとマイクロ・サービス p.71

テクノロジー・トピックス編
【新規】急増するAI専用プロセッサ p.62

下記につきましては、変更はありません。
・クラウド・コンピューティング編
・サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
・サービス&アプリケーション・基本編
・ITの歴史と最新のトレンド編

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