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「なぜ、何のために」のない講義や講演はやらないほうがいい

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「デジタル・トランスフォーメーションについて、話をして頂けないでしょうか?」

このようなご相談を頂くことがある。他にもAIについて、IoTについて、話して欲しいと講義の内容を具体的にご指定頂くことは少なくない。もちろん、それが何も間違っていると申し上げるつもりはないが、私は、このようなご依頼を頂くと、必ず次のように問い返すことにしている。

「ご依頼の件は確かに承りました。その内容で話はできると思います。ただ、何を話すかはともかくとして、この講演の結果として、受講者にどのような変化を期待されているのでしょう。例えば、この話をきっかけにこんな行動を起こして欲しいのか、あるいは、こんな働き方に変えて欲しいというような、講演後のあるべき姿です。何のためにこの講演を行うかという目的です。そのことについて、どのようなイメージを持たれていますか。」

ここを曖昧なままにしていると、どんな話をしても主催者に十分な満足を与えることはできない。たまたまご満足頂いてもそれは偶然であったのかもしれないし、話しが面白くて受講者が大喜びしたので主催者が満足しただけかもしれない。じゃあ一体何のための講義だったのか。なんともむなしい結果に終わってしまう。

「社員にもっと世の中の常識を教えたいと思っています。」

研修の結果としての「あるべき姿」を問うたところ、そんな答えが返ってきたことがある。では何のためにと伺ったところ、この業界では、もはや営業はテクノロジーに代替され仕事を失いつつあります。自分たちの於かれている状況を外部の人から話してもらい、危機感を持ってもらいからだという。日常に忙殺され、そんなことを真剣に感が得る時間がない。だから考えてもらう機会を作りたいのだという。

「危機感を持って頂くとして、その後、彼らはどうすればいいのでしょう。その先どうすればいいのかの筋道を示さないままに、危機感を煽っても不安や不信を持たせるだけではありませんか。」

残念ながら、そこについての回答はえられませんでした。彼らにも答えがないとのことでした。ならば、絶対の正解はではなくても、それが正式な会社の方針ではなくても、人材育成の責任を負うものとして、ご自身で考えるいくつかの選択肢だけでも、示して頂けませんかとお願いしました。

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こういう道があったのだとなれば、ならば自分をその道を歩もうと、学ぶこと、人の話を聞くことへのモチベーションが生まれます。それができれば、行動を起こすきっかけになるかも知れない。しかし、ただ不安を煽るだけの話しにどれほどの意味があるのでしょう。そんな話をさせて頂きました。

話はいくらでもできます。しかし、「なぜ、何のために」をあきらかにしないままに話をしても、むなしい時間を、あるいはムダなお金を費やすだけになってしまいます。人材育成の担当者としては、荷の重い話しだろうと思います。しかし、話す側の人間にとっては、それなくして、自分のミッションを達成できないわけで、その想いも伝えて、下駄を預けることにしました。

講演者というのは、時にしてこのような役割を背負います。そして、時にして人の生き方や人生に影響を与えることになります。だから、ひとつひとつを丁寧に考えなくちゃ行けないこともあるのです。

客寄せパンダとして「面白い話をすればいい」というのなら、いくらでもできます。しかし、もしそうでないとすれば、「なぜ、何のために」をきちっと合意しなければならないと、私はご依頼を頂くときにいつも考えるようにしています。

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第33期 ITソリューション塾/遠隔地からもオンラインでご参加いただけます。

日程 初回2020年2月4日(火)〜最終回4月18日(水)
毎週18:30〜20:30
回数 全10回+特別補講
定員 80名
会場 アシスト本社/東京・市ヶ谷
料金 ¥90,000- (税込み¥99,000)
全期間の参加費と資料・教材を含む

ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA

【12月度のコンテンツを更新しました】
・総集編の構成を1日研修教材としてそのまま使えるように再構成しました。
・最新・ITソリューション塾・第32期の講義資料と講義の動画(共に一部)を公開しました。

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総集編
【改訂】総集編 2019年12月版・最新の資料を反映しました。
*1日研修で使える程度に、内容を絞り込みました。
パッケージ編
ITソリューション塾(第32期)
【改訂】ビジネス・スピードを加速する開発と運用
動画セミナー・ITソリューション塾(第32期)
【改訂】ビジネス・スピードを加速する開発と運用
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ビジネス戦略編
【新規】変革とは何をすることか p.4
【新規】イノベーションとインベンションの違い p.8
【改訂】デジタル化:デジタイゼーションとデジタライゼーション p.37
【新規】経済政策不確実性指数(EPU)p.38
【新規】デジタル・ディスラプターの創出する新しい価値 p.41
【新規】ハイパーコンペティションに対処する適応力 p.42
【新規】価値の重心がシフトする情報システム p.54
【新規】複雑性を排除してイノベーションを加速する p.55

サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoT実践の3つの課題 p.74

ITインフラとプラットフォーム編
【新規】ゼロ・トラスト・ネットワーク 境界型セキュリティの限界 p.110
【新規】ゼロ・トラスト・ネットワーク セキュリティと生産性の両立 p.111

開発と運用編
【改訂】改善の4原則:ECRS p.5
【新規】ITの役割の歴史的変遷 p.8
【新規】アジャイル開発:システム構築からサービスの提供(体制変化) p.11
【新規】仮想マシンとコンテナの稼働率 1/2 p.60
【新規】仮想マシンとコンテナの稼働率 2/2 p.61
【改訂】DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア p.63
【新規】モビリティの高いコンテナ p.65
【新規】モノリシックとマイクロ・サービス p.71

テクノロジー・トピックス編
【新規】急増するAI専用プロセッサ p.62

下記につきましては、変更はありません。
・クラウド・コンピューティング編
・サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
・サービス&アプリケーション・基本編
・ITの歴史と最新のトレンド編

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