2020年には、B2B営業は絶滅している
「2020年には、B2B営業は絶滅している」
"2020年までに営業とマーケティングに起こる5つの劇的な変化"という記事の一節です。
「2015年(とその先も)において従来の「営業」ほど無駄で時代遅れなビジネス習慣はほとんどないからです。」
こんな一節もあります。少々、憤りを感じつつも(笑)、なるほどと納得させられました。この記事で伝えていることは、次のような内容です。
- 顧客の購買決定の7割りは営業との対面前に行われている。
- リードの獲得に高い営業コストを払うことは合理的ではない。
- マーケティングにもっと注力すべきである。
これは、SIビジネスにも当てはまる話です。人材にしろ、商材にしろ、コモディティ化がすすむこの業界にあって、お客様は既に欲しいものを決めて相談されることが多くなっています。また、競合がひしめく中で、個人としての営業の存在感は相対的に希薄になり、ネットはこの状況を後押ししています。
そういう中で、リードを獲得することに「営業活動」と称して多大な時間をかけることの無駄を感じている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、この業界では、未だ「マーケティング」と「営業」が、適切に区別されないままに仕事が進められています。
確かに、同じお客様からのリピートに頼っていれば、お客様の需要の拡大と共に、自分達の仕事も増えていた時代は、営業が全てであり、マーケティングなど必要ありませんでした。しかし、競合が当たり前、新たな商材やサービスを新たな顧客へと拡げて行かなければならない時代となった今も、いまだ従来のやり方から変えられないでは、ビジネスの成長は期待できません。
「もし必要としているのなら、それは、より顧客満足や顧客体験を高めるためであって、新しい販売の機会を生み出すためではありません。」
営業の役割は、こちらにシフトしてゆかなければなりません。そのためには、これまでにも増して、お客様の業務や経営についての理解を深め、コンサルタントとしての役割を担うことになるでしょう。それを過去の営業と同列に考えてはいけないのです。
また、先日のブログ「営業は、メディアになれ!」でも述べたとおり、お客様への売り込みから、お客様を引き寄せる営業へと変わらなければ、営業としての存在意義を失うことになります。しかし、よく考えてみれば、この取り組みは、「マーケティング」そのものです。
担当するお客様だけではなく、マーケットやトレンドについての理解を深め、お客様に価値ある情報を発信し続けることで、ビジネスのチャンスを引き寄せる取り組みです。それを自分の担当するお客様の中で行えば、それは営業活動ですが、その本質はマーケティング活動と違いはありません。
B2B営業として生き残るためにはどうすれば良いかと言った視点はもはや意味をなさないかもしれません。それよりも、確実にお客様の信頼を勝ち得て、営業目標を達成し、ビジネスの拡大に貢献するためにはどうすれば良いかと言った基本に立ち返り、営業とマーケティングの新たな定義と融合をめざすべきかもしれません。
クラウドや人工知能の普及は、この動きを加速するに違いありません。営業とマーケティングのトレンドもまた、テクノロジーのトレンドと共に考えて行かなければならない、そんな時代にあることを直視しなければならないでしょう。
【お断り】「ITmediaオルタナティブ・ブログ」と「誠ブログ」が統合されることとなり、4月6日(月)まで投稿ができません。4月7日(火)から改めて投稿させて頂きます。なお、毎週末に投稿しておりますブログ「ソリューション営業プロフェッショナル」は、予定通りですので、よろしければご覧下さい。なお、最新の投稿は、「コレ1枚で分かる最新ITトレンド【第3版】」です。ITの今を俯瞰してみようという試みです。合わせてご覧頂ければ幸いです。
【募集開始】ITソリューション塾・第19期
ITソリューション塾・第19期の募集を開始します!
- 期間:2015年2015年5月21日(木)〜7月22日(水) 毎週2時間x10回
- 場所:市ヶ谷・東京
- 講義資料(パワーポイント:約500ページ)はロイヤリティフリーにてダウンロード
第19期は、基幹業務での利用が加速するクラウドの新たな位置付け、IoTやアナリティクスについて、これまで以上に掘り下げてみようと思います。また、ビジネス戦略の策定やIT人材のあり方や育成についても考えます。
また、DevOpsやアジャイルはもはや外せないテーマです。実践ノウハウにまで踏み込んで、専門家による特別講演を予定しています。セキュリティは、「起こさないための対策」と「起こってからの対策」を体系化して解説します。前者はテクノロジーや業務運用、後者は法律専門家や広報ということになるでしょう。
セクシーな提案書の作り方、顧客満足の科学など、お客様との応対力を高める実践ノウハウも解説します。
定員は60名を予定しています。比較的早い段階で定員を超えることが予想されますので、まだ未定の場合でもご意向だけメールにてお知らせ頂ければ、参加枠を確保させて頂きます。
詳細な日程や内容につきましては、こちらをご覧下さい。
「ITの最新トレンドとビジネス戦略」【2015年3月版】 リリース
全て無料でご覧頂けます。今回の改訂の目玉は、以下の3点です。
*「コレ1枚で分かる最新ITトレンド」を全面改定。
IoTの位置づけを見直し、Cyber Physical Systemsについての記述を追加しました。
最新の解説もダウンロードできます。
*IoTの記述を追加し、より分かりやすいものにしました。
IoTとソフトウェア制御の関係やIoTデバイスのスタックにつ
*「アナルティクスとビジネスインテリジェンス」
こんな方に読んでいただきたい!
- IT部門ではないけれど、ITの最新トレンドを自分の業務や事業戦略・施策に活かしたい。
- IT企業に勤めているが、テクノロジーやビジネスの最新動向が体系的に把握できていない。
- IT企業に就職したが、現場の第一線でどんな言葉が使われているのか知っておきたい。
- 自分の担当する専門分野は分かっているが、世間の動向と自分の専門との関係が見えていない。
- 就職活動中だが、面接でも役立つITの常識を知識として身につけておきたい。
「【図解】コレ1枚で分かる最新ITトレンド」に掲載されている100枚を越える図表は、ロイヤリティ・フリーのパワーポイントでダウンロードできます。自分の勉強のため、提案書や勉強会の素材として、ご使用下さい。
目次
- 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
- 第1章 クラウドコンピューティング
- 第2章 モバイルとウェアラブル
- 第3章 ITインフラ
- 第4章 IoTとビッグデータ
- 第5章 スマートマシン