オルタナティブ・ブログ > ITソリューション塾 >

最新ITトレンドとビジネス戦略をわかりやすくお伝えします!

講演を成功させる3つの「確認」

»

プライベートセミナーや業界団体のイベント、経営会議や社内向け勉強会など、ご依頼頂く講演の目的は様々だ。しかし、どのような講演であっても、必ず行う3つの確認事項がある。ご参考までに紹介させて頂こう。

Mp900289528

1.何を語るかではなく、どういう結果にしたいかを確認する

講演の主催者は、「話を聞いた後、受講者にこうなっていて欲しい」という想いがあるはずだ。まずは、それが何かについて、徹底して議論して合意するようにしている。だからといって、次のようレベルでは十分ではない。

  • ためになる話が聞けて満足してもらいたい
  • 危機意識を持って欲しい
  • 意欲を持たせたい

まずは、なぜ、この講演をご依頼頂くに至ったのかの背景や問題意識、依頼主の会社や団体が直面している課題や未来への不安などをできるだけ具体的に伺うようにしている。このような話を伺えば、自ずと「どういう結果にしたいのか」が浮かび上がってくる。そして、次のようなレベルで、期待する結果について合意する。

  • オフショア受託開発の仕事を増やしたい。だから、受講者には、是非ともオフショアを使ってみたいと思ってもらいたい。
  • 国内のデータセンター事業は、AmazonやMicrosoftなどの大手クラウド・サービスに押され、ビジネスの先行きが不透明。だから、受講者には、自分達の将来を描くためのヒントとなるような知識を持たせ、よしやってみようという意欲を引き出したい。
  • うちには、「仕掛ける営業」が少なく、いつも待ちの状態で、ビジネス・チャンスを逃している。だから、受講者(営業)には、「仕掛ける」とはどういうことかを理解させ、どうすればそれができるか、そして、是非やってみようという気にさせて欲しい。

「期待する結果」が曖昧なままで、ご相談頂くことも少なくない。しかし、これをそのままに、こっちの勝手な「結果」を描いて語っても、ご満足いだけるかどうかは、博打だ。「なるほど、そういうことを結果として引き出して欲しい」と相手が納得するまで議論し、合意する。これが、最初にやらなければならないことだ。

2.概略をその場で語りストーリー確認する

「何を語るか」は、あくまで結果を引き出すための手段ということになるが、それもまた大切なことだ。受講者の知らない言葉や話題を語っても、ピンとくることはない。

受講者は、どのような立場で、どのような部門に属し、どんな仕事をしている人なのか、年齢は何歳くらいかなどを具体的に伺う。もちろん、いろいろな方が受講されるので、ひとつのパターンに納めることはできない。そこで、受講者のタイプをいくつかのパターンに分けて、受講者を想定する。その上で、具体的なストーリーのイメージを話させて頂く。

「まずは、ITの最新トレンドがどのような方向に向かい、ビジネス環境がどうなるかを説明します。具体的には・・・」

「その上で、今受講される皆さんの置かれているビジネス環境がどうなっているのか、どんな課題があるのかを整理します。具体的には・・・」

「最後に、この状況にどう対処すれば良いのかを事例を交えて説明します。具体的には・・・」

具体的な説明内容や使えそうなプレゼンテーション・チャートなどを示しながら、確認してゆくことが大切。話の「プロトタイプ」といったところだろうか。すると、ここがいい、ここはもう少しこうして欲しい、これは違うという話になる。

「これで良いでしょ」と納得させるのではなく、できるだけ多くのだめ出しをいだけるよう、「こう言うように話してみたいがどうだろう」と確認することが大切だ。

こんなことをやっているうちに、相手もこちらも「何を語るべきか」が明らかになる。そこまでゆけば、あとはそれにあわせて資料を作れば良い。

3.勝負キーワードを確認する

最後に、どういうキーワードが琴線に触れるかを確認する。これは、味付けというか、スパイスのようなもので、こういう言葉がいくつか入っていることで、受講者や依頼主の心証が良くなり、相手の記憶にしっかりと刻み込まれる。まさに、勝負キーワードだ。

同時に、NGワードや注意すべきキーワードも聞いておく。これが入ってしまうと、内容は良くても、結果が台無しになることさえある。

こういうことは、こちらが想像し、配慮すべきことではあるが、きちっと聞いてみた方が良いだろう。

このような準備は、必ずしも講演だけではなく、提案書のプレゼンテーション、会議や打ち合わせでも、役に立つのではないだろうか。

一番大切なことは、依頼主が期待する結果を出すこと。そのためには確認であり、合意を丁寧に行うこと。こちらがよかれと思い、勝手な思い込みで突き進まない方が良いだろう。結局は、相手にご満足頂かなければ意味がない。気持ちよく話、こちらが満足しても、何の得にもならない。そのことだけは、心がけたい。

「最新のITトレンドとビジネス戦略(187ページ)」を公開しました!

今のトレンドを知る上で、是非と押さえておきたい内容を厳選し、公開致しました。よろしければ、ご覧下さい。内容は、以下の通りです。

「最新のITトレンドとビジネス戦略【2014年9月版】」

  • ページ数 187ページ/webにて全て閲覧できます。
  • オリジナル パワーポイント(PPTX形式)

【内容】

  • クラウド・コンピューティングで変わるITの常識
  • モバイルとウェアラブル
  • 仮想化とSDI (Software Defined Infrastructure)
  • IoT (Internet of Things) とビッグデータ
  • スマートマシン
  • これからのITビジネス戦略

提案書の素材に、社内やお客様向けの説明会資料に、自由に加工編集して頂くことができます。

閲覧は無料です。ダウンロード頂く場合は、500円/月の会員になっていただく必要がありますが、これだけの資料を自分で作ることを考えれば、ご納得頂けるのではないかと思っています。

一度お立ち寄り頂き、ご覧頂ければ幸いです。

Libra_logo300x53

システム・インテグレータの今と次のシナリオを考えて見ました

system_cover

「システムインテグレーション崩壊」

〜これからSIerはどう生き残ればいいか?

  • 国内の需要は先行き不透明。
  • 案件の規模は縮小の一途。
  • 単価が下落するばかり。
  • クラウドの登場で迫られるビジネスモデルの変革。

*更新しました* 今週のブログ 

自動化と自律化、生産年齢人口の減少・SIerが考えるべきこと

自動化や自律化の潮流はITの分野に限らず産業や日常生活の全般に広がりつつあります。この変化は、これまでの人間の役割を大きく変えることだけではなく、ビジネスの成り立たせ方も根底から変える可能性があります。

SIerはまさにその「直撃」をうける最前線にいます。では、どうすれば良いのでしょうか。

今週のブログでは、そんなテーマを掘り下げてみました。

Follow Us on Facebook Facebookページを開設しています。「いいね!」やご意見など頂ければ幸いです。

Comment(0)