オルタナティブ・ブログ > アー・ユー・エクスペリエンスト? >

人生と仕事に必要な様々なことについて考えるブログ

Google Chromeの動画広告はどれだけバイラルに成功したのか

»

本題に入る前に、話題になっているGoogle I/O のニュースに触れておきたい。というのも、Google I/O 2011の席上で、とうとうChromebookの発売が正式にアナウンスされたから。発売開始は6月25日だそうだ。2010年12月にアナウンスされたCr-48というChrome OS搭載ノートブックが、結局製品として発売されることなく尻すぼみの状態で終わってしまっただけに、今回の正式な製品化のアナウンスには、ほっと胸を撫で下ろしている関係者も多いのではないだろうか。

公開ホヤホヤの動画「Google I/O 2011: Keynote Day One」を是非見てほしい。この「Google I/O 2011: Keynote Day One」はちょっと凄い。何が凄いのかというと、まず長い!54分50秒もある。ところが、ただ長いけではない。視聴することを飽きさせない、見応えのある内容になっている。それにしても会場の熱気が凄い。

一つだけ気になったことがある。こんな尺の長い動画の配信が許されるのって、やっぱりGoogleだからなんだろうか?

■ Google I/O 2011: Keynote Day One

発表されたばかりだというのに、すでに7万回も視聴されている。最後まで視聴し終わっていないユーザのカウントが含まれているにしても、まずまずの数字だと思う。参考までに、Viral Video Chartによる5月12日13時53分現在のデータは以下の通り。少しバイラルしかかっていると言ってもいいくらいの数字だ。

●視聴回数:             68,512
●ソーシャルメディアへのシェア回数: 2,002
-----------------------------------------
※内訳         
facebook: 1,664
twitter:   794
bog:   44

そして、もう一つ「Introducing the Chromebook」。

■ Introducing the Chromebook

こちらはすでに10万回以上の視聴されている。

では、本題に入りたい。5月6日の記事「グーグルが最近公開した動画のバイラル効果についてまとめてみた」で紹介した、Google Chromeの2本の動画が、約10日間ほど経った時点で果たしてバイラルに成功しているのか、その結果について検証してみたいと思う。また、比較対象として、前回と同じようにアップルの「iPad 2 - TV Ad - If You Asked」も対象に加えている。まだ視聴したことがない方は、是非この機会を利用して視聴してみてほしい。

Google Chrome:It Gets Better

Google Chrome:Dear Sophie

Apple - iPad 2 - TV Ad - If You Asked

3つの動画の5月6日と5月12日時点のトラフィック値を表にしてみた。3つの動画すべてが動画視聴回数、ソーシャルメディアへのシェア回数ともに伸びてはいるものの、明暗がはっきり分かれた結果となってしまった。伸長率を見てほしい。動画視聴回数、ソーシャルメディアシェア回数ともに、「GoogleChrome:Dear Sophie」が断トツの伸びを見せているのがわかると思う。2日前に公開している「Google Chrome:It Gets Better」を、近日中に追い抜いてしまうことは、まず間違いないだろう。こうして見ると、3つの動画の中でただ一つだけバイラルに成功したと言っていいだろう。

Emf

そのことを証明するために、Viral Video Chartから入手した、グーグルの2つの動画のソーシャルメディアへシェアされた回数の推移がわかるグラフに、12時30分時点での1時間にシェアされた件数のキャプチャーを加えてみた。グラフからは、「Google Chrome:Dear Sophie」の落ち込みの方が「Google Chrome:It GetsBetter」よりも緩やかなことがわかる。また、1時間あたりにシェアされている回数も、「Google Chrome:Dear Sophie」の方が多い。このデータが、そのまま二つの動画の視聴回数の差につながっていることは間違いないだろう。

Photo

今回取り上げた3本の動画の中で、グーグルの「Google Chrome:Dear Sophie」だけがバイラルに成功しているのはなぜなのか、その理由について考えてみた。一番の理由は、ストーリーがあること。子供の成長を追いかけて行くというストーリーが、見る者の心に響いてくる。次に、わかりやすいこと。グーグルのサービスに興味がない、一般のユーザが見ても理解できるわかりやすさがこの動画にはある。そして最後が、子供を主人公にしていること。昔から、赤ん坊や子供を主役にした動画はバイラルしやすい傾向が強い。つまり、バイラルするための要素を兼ね備えた、非常に完成度の高い動画だと言えるだろう。

■Google Chrome:Dear Sophie

もう一つよくできているなと感心させられたのが、全シーンに何回か登場してくる”share”という言葉。見終わった後、思わず”share”したくなるから不思議だ。

Comment(0)