数々の歴史的名盤を生み出したモントルー・ジャズ・フェスティバル
死ぬ前に、どうしても一度は訪れてみたいと思っている土地がいくつかあって、その中の一つがスイスのモントルーという都市である。ジャズが好きな人なら、すぐにモントルー・ジャズ・フェスティバルのことを思い浮かべるに違いない。それほど、ジャズ・ファンにはお馴染みのフェスティバルである。
そう、死ぬ前に一度はモントルー・ジャズ・フェスティバルを観ておきたいのである。モンルー・ジャズ・フェスティバルというと、普通はさっきのようにすぐにジャズを連想しがちであるが、実はジャズ以外にも素晴らしいアーティストがたくさん出演していることでも有名だ。ロック、R&B、ブルース、ボサノバなど、むしろ最近ではジャズ以外のアーティストの方が多いくらいだとも言われている。
それにしても、美しいレマン湖畔に隣接するリゾート都市でもあるこのモントルーという場所から、一体いくつ歴史的な名盤が生まれたのだろうか。その数といったら、本当に半端じゃない。「ライブ・アット・モントルー○○○」というタイトルがつけられたアルバムの多さが、それを物語っている。
実際にアーティストに同行してモントルー・ジャズ・フェスティバルを観に行ったことがあるという人が教えてくれたのだが、モントルー・ジャズ・フェスティバルというイベントは、やはりアーティストにとっても特別な存在らしい。
では、なぜモントルー・ジャズ・フェスティバルが特別な存在なのか。その人が言うには、一番大きいのが観客の数だそうだ。当然の話なのだが、モントルー・ジャズ・フェスティバルの方が、普段彼らの活動の中心であるニューヨークのクラブよりも観客の数が圧倒的に多い。この観客の多さが、アーティストを乗せてしまうというのだ。
次に大きいのは、モントルーという都市の環境の良さ。美しい開放感溢れた場所であることから、アーティストも自由にのびのびと演奏ができるらしい。つまり、名盤が生まれやすい環境が、モントルー・ジャズ・フェスティバルには揃っているというのである。
マイルス・ディビスが最初にモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演したのは73年で、その後84年から91年までの間ほとんど毎年のように出演することになる。あのマイルスでさえ、モントルー・ジャズ・フェスティバルには特別な思い入れがあったのだろうか。
そのモントルー・ジャズ・フェスティバルが開催されるのは7月。夏は、やっぱり音楽フェスティバルが良く似合う。