「進化」とか「次世代」というキーワードにちょっとうんざり。。。
相変わらず本屋のベストセラーを紹介する棚には、「進化」「次世代」といった、ことさら”次”の重要性を強調した本が積まれている。ところが、最近これにちょっとうんざりしているのだ。
ウェブをはじめとしたテクノロジーはもちろん、最近ではビジネスや社会にまでこの傾向が見られるが、なぜ次に向かって進化し続けなければならないのか疑問だ。このままで何が悪いというのだろう。それに、実際言われているように、本質的な部分が進化しているとは到底思えない。
困難なことにも果敢に挑戦し続けるイノベーションの精神が必要だというのなら、諸手を挙げて賛成できるのだが、どうやら次に向かって進化し続けるということは、そのイノベーションの精神とも違うようだ。
次に向かって進化し続けることで、たしかに表面的な部分では変化があるのかもしれないが、何だか一過性のものに過ぎないような気がしている。”軽さ”が気になって仕方がないのだ。最も、この”軽さ”が受けているらしいが。
それに、「進化」とか「次世代」というキーワードには、”熱さ”が感じられない。たしかに耳障りは良いし、クールな印象はうけるのだが、個人的に一番大切にしている”熱さ”が感じられないから好きになれない。根が”熱い”人間なので、もしかしたらクールな「進化」とか「次世代」に嫉妬しているのかもしれないが。
愚直に自分自身を信じ続けてやり遂げる。そっちの方が、ビジネスにも社会にもよほど大切な気がしているのだが、この考え方は間違っているのだろうか。「進化」とか「次世代」というのは、自分の信じていることをやり続けているうちに少しずつ見えてくるもの。最近、そんな気がしている。
今は、「次世代」についてあれこれ考えるよりも、「現在」についてもっと時間をかけて考えてみたいという心境だ。だから、「進化」とか「次世代」というキーワードにちょっとうんざりしているのかもしれない。
ついでに言わせてもらうと、これも最近本屋でやたらと目にする新書も好きになれない。岩波新書からは”熱さ”が伝わってくるが、最近の新書からは”熱さ”が伝わってこない気がする。厚さはまだしも、内容までもが薄くなってしまっては買う気が起こらない。