横尾忠則1973年の仕事
以前もこのブログで紹介したことがあるサンタナですが、最近発売された紙ジャケCDを全部(10タイトル)買い込んで、毎日のように聴きまくっています。飽きないんですよね、これが。家でも会社でも、毎日サンタナ漬け。今年の夏は、このままサンタナで突っ走るしかありません。
全部聴いて欲しいのはもちろんなんですが、中でも是非買ってもらいたいのが1973年の初来日公演の模様を収録した3枚組みCD『ロータスの伝説』。これこそ、まさに一家に1枚のマスターピースです。この『ロータスの伝説』、1973年7月3、4日の大阪厚生年金会館での2時間以上にも及ぶ演奏を完全収録したもので、発売されたのは1974年。全盛期のサンタナの鬼気迫る凄さを、余すところなく伝えてくれている名盤です。
演奏ももちろん凄いんですが、『ロータスの伝説』が何と言っても話題を集めたのは、横尾忠則が手掛けたジャケット。横尾忠則渾身のアートワークが施された幻想的な22面体見開きジャケットは、当時日本ばかりではなく、海外でも高い評価を受けました。この『ロータスの伝説』のジャケットを見て感動したマイルス・デイビスは、後に自分の作品(『アガルタ』)のジャケットを、横尾忠則に依頼することになります。
今回発売された紙ジャケCDでは、その22面体見開きジャケットの仕様を、当時発売されたLPそのままに再現しています。これこそ、長い間サンタナファンが待ち焦がれていたもの。と言うのも、1990年代に発売された2枚組みCDは、プラスティクケースだったということもあって、22面体見開きジャケットの採用は見送られていました。おまけに、曲順も変えられていたのです。
それが、今回完璧に再現されて甦っています。驚いたことに、曲順もオリジナルLPの通りに戻されていました。ファンにとってこれほど嬉しいことはありません。
それにしても、今回発売された紙ジャケ仕様の『ロータスの伝説』を手に取ってみて、横尾忠則が1973年に造り上げたアートワークの素晴らしさに改めて感動しました。これは、日本が世界に誇る文化遺産と呼んでもいい作品です。是非一度、このきらめく横尾忠則1973年の仕事に触れてみてください。
音楽配信サービスからダウンロードした楽曲をiPodで聴くのもいいんですが、ジャケットを眺めながら音楽を聴くのもまたいいもんです。ちょっと贅沢な時間が流れます。
※ 世界に誇るライブ・イン・ジャパンの演奏って、意外に多いんですよね。皆さんお薦めの『ライブ・イン・ジャパン○○』を教えてください!