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本を書くこととブログを書くことの違い

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昨日は最後の仕事が新宿だったこともあり、弊店間際の紀伊国屋新宿南店(高島屋の隣にある紀伊国屋です)を覗いて帰りました。6月30日発売予定の、『SNSビジネス・ガイド』が先行発売で置いてあるからです。本を書く喜びの一つが、自分の書いた本が書店の店頭に並んでいるのを見つけた時。この時の嬉しさって、何冊目だろうが変わりません。それまでの苦労が一瞬で報われる瞬間です。

ありました!黒地に緑色のロゴで、ちょっと目立つ表紙の『SNSビジネス・ガイド』。見たところ、残り5冊。もしかして売れているんでしょうか。高鳴る期待。

「この本、売れていますか?」と近くいる店員に聞いいてみる(私は必ず聞くようにしているんです。結構正直に答えてくれます)。
「ええ、出ていますよ。残りこれだけですから。来週またたくさん入荷してきますよ」と親切な店員さん。
店員さんにお礼を言ってから、もちろん一冊お買い上げ。

mixiでも、同じく先行販売している銀座ブックファーストでお買い求め頂いた方から、「数冊しか残っていなかったですよ」といった嬉しいメッセージをもらうなど、今のところ出足好調のようです。共著ということもあって、それぞれの執筆者の関係者が応援してくれているのかもしれません。嬉しいことです。

ところで、本とブログって、書くときのスタンスがまったく違うということを知っていましたか。よく、「毎日書いているブログがそのまま本につながるからいいですね」って言われるんですが、私の場合、ブログと本はあまりつながりがありません。もちろん、文章を書く作業だという点で苦労は一緒だし、自分の伝えたいメッセージを文章で表現するという点でも同じです。ただ、ブログと本とでは、書くときのスタンスがまったく違うんです。似て非なるもの。

本の場合、「これについて書きたい」という、そのときの私が一貫して持ち続けている強い意志が、書くという行為を支えています。たとえば、本の場合は、事前に書くテーマも構成(章立て)も決まっています。テーマや構成が大きく変更されるようなことはありません。事前に決められた計画に沿って進めていく必要があります。リアルタイム性に欠けるため、時には書いた内容がちょっと古くなっいたりすることもしばしば。ただし、綿密に推敲が繰り返されるため、品質は高まります(もちろんそれでも間違いはあるし、文章の拙さが直ることはありませんが)。やり直しも可能です。

ブログの場合、本を書くときのように、一貫して持ち続けている強い意志が書くという行為を揺り動かすようなことはありません。もちろんまったくないわけではありませんが、私の場合は書きたいと思う内容は日よって変わることが多いです。また、計画もありません。事前に原稿を用意しておくという人もいるようですが、私の場合は行き当たりばったりです。いつもパソコンの前に座ってから、その日書くことを考えます。文章は、どうしても間違いが多く荒削りになりがちですが、ブログには本にはないリアルタイム性と勢いがあります。

瞬間的に書きたいと思ったことを、すぐに文章で表現することができる。それがブログの魅力だと思っています。そして、読んだ相手からの反応もすぐに得ることができます。本の場合はそうはいきません。ブログの場合、その一瞬のひらめきや直感のようなものを信じて書くことになります。勢いとスピードが大事になってきます。だから、時としては間違いや失敗もある。本は、ずっと考え続けてきたテーマーを熟成させながら、ある瞬間に一気に吐き出して書くことになります。

ただ、どちらも実名で書いている以上、内容に対しては責任を感じながら書いています。

※ 私は、活字になった自分の文章をじっくり読み返すということをしたことがありません。もう次のことを考えているからなんでしょうか。なんか、恥ずかしいですしね。

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