ロングテール体感
皆さんは、アマゾンをよく利用されますか。私の場合、アマゾンの利用に関しては相当なヘビーユーザーです。本はほとんどアマゾンで買うし、それ以外にもCDや、最近では子供の玩具までアマゾンを利用することがしばしばです。本に関して言えば、もちろん書店で手にとってみて、急に欲しくなって衝動買いする場合もありますが、それ以外はアマゾンのお世話になりっぱなし。
そんなアマゾンで、私はロングテールをしばしば自分で体感することがあります。そこで今日は、私の体感するロングテール現象を紹介することにします。
私は、今までに書籍とムックを合わせて、合計5冊の本を出しています。当然、すべて売れることを願って書きました。ところが、残念なことに、私の意志に反してどの本も売れ行きはあまり芳しくありません。
割合が80:20かどうかは別にして、本は、ベストセラーと呼ばれる一部の売れ筋商品と、その他大勢の売れない本とに分かれます。そして、私の書いた本は、残念ながらその他大勢の売れない本の部類に入ることになります。アマゾンのランキングで言うと、15万番台あたりをウロウロ。大体そのあたりが定位置です。
ところが、本が1冊売れるだけで、信じられない現象が起こります。何とランキングが2千番台まで急上昇するのです。私自身、何度も試したことなので間違いありません。
では、本が1冊売れるだけで、ランキングが急上昇するようなこの現象が何を意味しているのか。それは、ランキングの2千番台と15万番台の本の売れ行きに、大きな違いはないということです。1冊売れるだけでランキングが急上昇してしまうほど、売れない本はわずかな差でしのぎを削っているのです。
正確な数字はわかりませんが、出版ビジネスは、売れている約1000冊の本と、売れていないその他大勢の何十万冊という本とで成り立っているということになります。そして、売れていないその他大勢の何十万冊という本が、ロングテールに当たります。リアルな書店では、売れ行きの悪いロングテールな本は、スペースの関係もあって少しずつ書棚から姿を消していくことになります。つまり、ベストセラーで商売をしていることになります。
ところが、アマゾンはロングテール(売れていない本)で商売をしています。全体の売上の50%近くが、ロングテールによってもたらされていると言われています。だから、売れていない本でも、あえて在庫を抱えているのです。
そして、私が書いた5冊の本も、そのロングテールの一部になっている。ちょっと複雑な気持ちです。。。