AI BB東京 AIがすでに変えた動画コンテンツ制作の現実
AI BB東京 2025 秋に招待いただき、渋谷の会場に足を運びました。
先端のAI実践者が集まるこのイベントは前回6月も刺激になり、このブログで紹介しました。
今回の収穫の一つは、会場に行ったからこそ見れた聞けたクリエイティブのセッションでした。生成AIは、従来のクリエイティブを変革するポテンシャルがあり、すでに大きく変えています。
著名アニメ・スタジオでは、AIはかなり限定的にしか利用していないとか聞きますが、これからの時代のクリエイターは、AI活用のスキルを磨きながら、さらに人によるセンスとスキルを高めて制作する方々が、活躍していくと感じました。
[M-8] クリエイティブ業務における生成AIの活用
本セッションでは、長年、映像・コンテンツ制作の最前線で活躍してきたクリエイターとプロデューサーが、映像制作における生成AIの実践的な活用事例、制作ワークフローの変化、そしてクリエイターとAIの共創がもたらす新しい表現の可能性を、議論します。WIT COLLECTIVE、PYRAMID AI、GEN CRAFTというハイクオリティな映像を制作してきた登壇者が数多くの映像事例を提示しつつ、AIでクリエイティブ制作を拡張していく様を語る、油断できない時間になるはず。
【スピーカー】
清水 勝太(WIT COLLECTIVE クリエイティブコンダクター)
石丸 将太(PYRAMID AI プロデューサー)
橋本 伸吾(GEN CRAFT AIクリエイティブディレクター/フィルムディレクター)
【モデレーター】
神谷克也(株式会社カイダン代表取締役)
「※本セッションは撮影・録画禁止とさせていただきます。」ということで、実際の動画作品を、作る過程もたっぷり披露・解説いただきました。
受け取ったことをいくつか:
・驚くほどのスピードで動画コンテンツ作成にAIが活用できるようになった(さらに進歩する)
・従来の手法(実写・アニメ)、CG、それにAI活用が加わった・・AI活用はCGより低コスト、かつ劇的に短時間
・例えばCMでは、タレントさんの時間を短くすることが最も重視されるが、AI活用で、タレントさんの撮影時間を大幅に短縮できる。それでいて、より多くの場面や背景が展開できる。
・企画の段階で、様々なアイデアを次々と試して動画を作れる。よって、よりよい作品が立案できる。
・しかし、コンテンツをよく分かっている人でないと、よい作品が作れない。(100%AI任せは不可)
・世の中に、安易に作られた質が低いコンテンツが氾濫する可能性があり、危惧している。
[M-9] All Begins with Creation: AI×アートの新時代
本セッションでは、AIを活用した最新のアニメーション制作フローや、シネマティック×アニメ表現を追求するYUUUKI氏の取り組みを紹介。AIクリエイターとしての今後の課題や展望についても語り、これからのクリエイティブ業界におけるAIの役割と可能性を深掘りします。
【スピーカー】YUUUKI
は、数々の受賞歴を誇り、多くのフォロワーを持つ注目のクリエイターであり、業界をリードするクリエイティブパートナーにも選ばれています。AIと共創する新たなクリエイティブの未来に興味のある方には必見のセッションです。
前出の[M-8]のスピーカーが在籍のPYRAMID AIに所属のクリエイターYUUUKI氏によるセッション。数々の受賞歴があるYUUUKI氏は、最近コンテストに出した2つのアニメ作品を詳細に解説。AIができることと限界・問題(Photoshopも使用して解決したり)、そして4ヶ月違い(「RED PARADE」は「花の咲く星で」の約4ヶ月制作)でAIが大幅に進歩したのが如実に分かりました。
YUUUKI作品『花の咲く星で』AI×Web3アニメコンテスト【PrinceJAM! 2025 最優秀賞、特別賞受賞作品】
YUUUKI作品『RED PARADE』 日本コロンビア主催COLOTEK AIクリエイティブコンテストへの応募作品
「AIの進化がここ最近著しく早いが 自分自身ひとつの作品としての完成度が低い 『これでいいや』と中途半端なものを 作らないように気をつけたい。 アナログ時代(AIが出てくる前) の人たちへのリスペクトを忘れたくない。」YuuukiのXより
と語っていますが、本セッションでもコンテンツ制作をよく分かってる人のスキルとAIの融合が優れたアウトプットを生み出すことが理解できました。
生成AIで何でもできるという論もありますが、使いこなすには、その道を究めるというか高いスキルを獲得してこそ、質の高いアウトプットがうみだせるということかと。
また、さらにAIが進歩すると、使いこなす力とともに、より高次元のセンスやスキルの戦いになるでしょう。人はより自由になり、時間もコストも制約が減り、まさに人でしかできない力の発揮が求められ、勝負になるのでしょう。
しかし、学ぶ・つながるには、リアルのイベントが一番というのが面白いですね。