ICO ブロックチェーン 孫泰蔵 SLUSH TOKYO記事の反響から
3/31にあげた記事『「ICOが洗練されればベンチャーキャピタルは不要に」 孫泰蔵の見方』 は、Forbes JapanでTop 5の人気記事となり注目された。
Twitterでも多くtweetいただいた:
「コイン長者が軽い感じでICOに投資する感じな。」
といった仮想通貨バブル的な声もあったが、
「特にシード期の資金調達はすでに多様化し始めていて、とても良い事です。」
「10年後、資金調達のスキームは今より多様化、洗練化されるからあり得る話。VCは残るだろうけど、シュリンクしそう」
「1月以降の日本の状況を憂う声もありますが、過渡期的とみています。ICO・暗号通貨上場を取り巻く日本そして世界の整備は早晩為されるでしょう。
→で、VCの消滅や資金調達手法の多様化は必至かと。」
などスタートアップの資金調達の変化について、孫さんの発言に呼応したものがあり(一部は現役ベンチャーキャピタリストから)。
また、孫さんの20歳ごろの体験による、新しいことを否定する大人への憤りには、共感の声が多数みられた。この問題は、昔からひどかったが、いまも変わっていない。孫さんが言うように、力のある人、立場が上の人に、この傾向は強い。経験と知識がある人ほど、否定・批判に回りやすい印相だ。小生も何度も目の当たりにした。
Newspicksでも212picksで多くのコメントが寄せられた。Newspicksのコメントは、tweetよりリッチなものが多く、孫さんの文脈をとらえて未来志向で反応する人が多数を占めた。一部に、問題を指摘してイヤ違うと否定する人・・これは新しいことを否定する大人と同様な反応で、(書いた本人は自覚してないかもしれないが)皮肉というか興味深い。
もちろん、昨年のICOの狂気や最近の仮想通貨の投機熱と混乱など、問題は大きい。この辺の米国VCほかの認識は、記事「ICOはバブルか、革新か? シリコンバレーの視点」に昨年末に書いたので、ご参考。 が、その先をみないと未来はつくれない。
ドットコム・バブルのときも、怪しい人や金の亡者が現れたが、やがてはインターネットは新たな時代の柱となっていった。大きなイノベーションの普及には、カオスもプラスになることがある。
小生は、ブロックチェーンと分散型アプリケーションに可能性あり、との孫さんの論(孫さんは人生賭ける!といったアグレッシブな口調だったが)には同感だ。これに似た意見を展開している人に、落合陽一さんがいる。トークン・エコノミーに未来のポテンシャルを認識している。詳しくは、新著「日本再興戦略」幻冬舎を読まれたい。
なお、SLUSHでの孫さんのセッションは「イーサリアム・ファウンデーション」のエグゼクティブ・ディレクター宮口礼子氏とのものであり、分散型アプリケーション=Dappsはイーサリアムを念頭に置いたもの(落合さんはDappsには本書では触れていない)。
もっとも、孫さんや落合さんとは異なる論理で、勘違いしてなんでもブロックチェーンという人もいるので注意されたい。
新技術を理解し活用を試みることは大切だが、新事業の基本は問題解決であり、ソリューションそのもの偏重では役に立たない。流行に飲み込まれてはいけない。自ら波をトレンドをつくるくらいのスタンスで臨もうではないか。