楽しい本だ 楠本修二郎著「ラブ、ピース&カンパニー これからの仕事50の視点」
これは楽しい本だ。カルチャーや街、そして人に興味があるなら、かなり楽しめる、お買い得な本だ。
楠本 修二郎さんとは、
カフェ・カンパニー株式会社代表取締役社長
リクルートコスモス→93年大前研一事務所→平成維新の会事務局長。
渋谷・キャットストリートの開発等を経て、2001年カフェ・カンパニーを設立。
コミュニティの創造をテーマに商業施設等のプロデュースにも従事。
楠本さんには、だいぶ前にお会いし、知人が転職したりG1サミットでリ・コネクトしてさらに繋がりができ、「東の食の会」や開店などイベントにも呼んでいただいたりした。それに、小生がサポートしている起業イベントSLUSH Asiaでフードトラックのチームを支えているところに出くわしたり、えっ、なんでここにいるの?と聞いてしまうこともある、面白い方だ。
楠本さんから本書をいただく前に立ち話した際は、軽く言葉を発する中に、真剣さを感じた。恐らく、渾身の作なのだろう。トライアスリートでもある楠本さんは、楽しく熱中して書き上げたのではなかろうか。また。編集も頑張ったと思わせるつくりだ。
しかし、書評が少ない(アマゾンにも一つだけ)。これは本書がクリエイティブとしての作品の側面が強く、起業家から学ぼうという読者にはストレートに応えていないつくり、つまり論理的な目的で本を手に取る人にはズレを感じるからかもしれない。
渋澤さんのブログに書評あり: 「ラブ、ピース&カンパニー、そして、コモンズ」渋澤健のナナメな視点
本書は、5つのパートから成る;
【Life】人生を旅しよう
【Concept】カフェ・カンパニーの視点
【Method】感性をビジネスにする方法
【Team】カフェ的な会社をつくろう
【Earth Trip】世界と同期する
ちなみに、「1964年のオリンピックイヤーに福岡で生まれた」のは小生もそうだ。しかし、旅する楠本さんは、小生とは全く異なる人生と活動を経てきた。そして、自分の展望を持って、未来をつくろうとしている。
飲食に限らず、高度なサービスや街づくり、文化的な事業活動などに関心がある人には、ヒントや刺激が得られると思う。もっとも楠本流のコピーは難しいだろう。
といっても、堅く考えて起業家列伝に臨もうというスタンスでなく、気負わず、カフェに行くようなつもりで本書と向き合った方がよいだろう。お楽しみあれ。
アマゾンはこちら → 楠本修二郎著「ラブ、ピース&カンパニー これからの仕事50の視点」1,620円(日経BP社、232ページ)