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オープンガバメントサミットin 鯖江

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オープンガバメントサミットin 鯖江に行ってきました。小生もモデレーター務めました。予想を超えて大成功。来場者は、福井県以外の方が7割、IT関連の方が4割、行政の方2割、といった感じ。面白いものです。

全国からオープンガバメントを推進している方々が集い、
各地での活動紹介プレゼンやパネルディスカッションを
■日時:11月17日(日) 16:00~20:00 (開場:15:30)
■場所:サバエシティホテル 2階
主催:NPO法人エル・コミュニティ
後援:オープンデータ流通推進コンソーシアム、鯖江市、W3C/Keio
■タイムスケジュール(開場 15:30)
16:00~ オープニング
■第一部
=オープンガバメント最前線” パネルディスカッション=
○パネリスト
牧野百男氏   鯖江市長
森本登志男氏  佐賀県CIO
大向一輝氏   国立情報学研究所 准教授
深見嘉明氏   慶應義塾大学特任助教
○モデレーター
福野泰介氏  株式会社jig.jp 代表取締役
■第二部
=“日本再生の鍵は地域活性化にあり” パネルディスカッション=
○パネリスト
松野豊氏   流山市議会議員、NPO法人ドットジェイピー理事
藤川優里氏   八戸市議会議員 
勝屋久氏    勝屋久事務所代表 プロフェッショナルコネクター
竹部美樹氏   NPO法人エル・コミュニティ 代表理事
○モデレーター
本荘修二氏  本荘事務所代表 
■第三部
パネルディスカッションを踏まえ全員参加のワークショップ
■第四部
交流会:食事と梵 有り
~総合司会~
矢島里佳氏  株式会社和える 代表取締役

togetter 「オープンガバメントサミットin鯖江 #ogsabae」も参考に概略を以下に。

■第一部 オープンガバメント最前線

平成16年に市長就任したときにITのまち鯖江をやってみたいとおもった.言ったからにはまず自分のブログからはじめた.そこから色々試みている

2010年にw3cの一色先生がやってきて,オープンデータとかオープンガバメントとかの話があってやろうかというきっかけになった.

鯖江市、コミュニティーバスのリアルタイムの位置情報や、稼働履歴をAPI公開!日本初! こちら作ってみた遅れチェッカー

緊急時の1分は非常に貴重。こちら、鯖江のAEDオープンデータを使って最寄りのAEDを
検索するアプリ
 

佐賀県CIOによる先進IT事例、全救急車にiPadが入っている!全県議員がiPadを持っていて荷物が減った、Faxが不要になった!
救急車の救急隊員のカンで搬送先病院を絞って電話確認していたが、iPadで空き状況を確認して連絡するようになった。平均搬送時間の短縮につながった。

大向一輝氏

何故やるのか 1. 行政のサービス向上・コスト削減,2. 行政からデータを出すことでイノベーション 3. 行政の透明性. 4. 市民とのコミュニケーション"

アメリカやイギリスはトップダウン,日本でも電子行政オープンデータ戦略.野田首相も昨日オープンガバメント大事と明言したと話題に
一方でデータ持っている行政機関がボトムアップでもやっている.鯖江市などトップダウンとボトムアップが両輪で進んでいく。草の根アプローチにも注目!

オープンデータ流通推進コンソーシアム 日本政府が民間・行政巻き込んで進んでいま
す。鯖江市も参加

CityData 理化学研究所.行政団体の持っているデータを載せてもらって集めている.データの評価も.どこが積極的に行なっているかみられる

Where does my money go?の紹介。横浜市の会計データを使ってビジュアライズした。自分の納めた税金の使い道がわかる。

LODチャレンジの紹介。コンテスト形式のイベント作品募集中2013年1月31日まで。賞金でます。

深見嘉明氏

これまでの行政の情報公開は守りためだった.オープンガバメント,オープンデータは攻めのための情報公開
「新たな価値が生まれる」  エコシステムの構造:データを提供する→アプリケーションを作る→サービスを作る  標準仕様に則っていることにより、より広い層からの利用を見込むことができる

これまでの情報開示はデータ量が膨大(PDF形式の白書など)、ピンポイントで取り出す
のが難しい
Linked Open Data(LOD)によるオープンデータ.データ生成・公開と利用の分離.データ利用に伴う負担の分散化等。標準という観点から見たLOD。LODの使い方はボトムアップアプローチでみんなで考えていきましょう。

ディスカッション

福野  西山動物園のオープンデータ  元はpdf.それをデータシティ鯖江のサイトでXMLとして公開

森本  データをオープンにして何が起きるか.一番重要なのはどう使われるか.使おうとすると他に欲しいデータがでてくる.それを更に問い合わせて出してもらってといったことがおきる

大向  行政はそもそもどれだけデータを持っているか把握できていない。
オープンデータ流通推進コンソーシアムの話題。気象庁のデータをテーマにしたアイ
ディアソン
をfacebook上で開催している。12/1にハッカソンも開催する。

牧野  鯖江市でどういう方向でやるか.地図情報にもっと細かいデータだしたい.今回のバスAPIについては,市民の公共交通への理解を深めてほしいという思いもある

大向  海外では例えば貸し自転車可視化が有名.たぶん地方は観光とかのテーマも相性がよいのでは

深見  今の議論で一番重要なのはニーズの把握.ファクトの認識をするために住民から発信するとかいうモデルができるのではないか

大向  先に多くだしたところがリファレンスになる.鯖江市は先行してやっているので、この流れを加速してどんどんやってもらえれば

牧野  情報公開するということはメンテナンスもしなければならない.それを職員としては嫌がる.モラルの問題もある.しかし世界一を目指して是非がんばりたい

■第二部 日本再生の鍵は地域活性化にあり

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人間力、人の成長、つながり、行動といった話題が展開されました。藤川さんの言う、ちょっとした発信のポテンシャルも大切なメッセージでした。

竹部さん: 鯖江市 市長をやりませんか?というイベントをやっている。
今年五回目.学生が鯖江のこと宣伝してくれたり,これがきかっけで就職できたりしている.SFC ORFで成功例との報告もあった
実行委員会は鯖江市や商店街等様々な地元の人の協力でなっている.スタッフは地元の学生

本荘 Jennifer を知っている人?code for america知っている人?と質問

Jennifer Pahlkaは元Web2.0 Expoのマネジャーで、小生がWeb2.0 Expo TokyoのChairだったとき一緒に仕事しました。いまはCode for Americaを率いるsocial entrepreneurです。以下は、TEDでの彼女のプレゼン。


YouTube: Jennifer Pahlka: Coding a better government

アメリカもトップダウンとか自治体だけでは無理で、こうした広いコラボレーションが必要なのです。
鯖江も形はここまででないですが、同様な動きになってきてます。小生の記事もご参考「コミュニティづくりはインキュベーションの原点 鯖江の首長、チャンピオン、エコシステムに学ぶ
鯖江は首長がやると言っている、.旗振るリーダーに加えて、やる人が必要。竹部さんの全国の学生を巻き込む試みも面白い。メガネサミットをやると聞いたときはえっと思ったが実際にやってみると色々な人が集まり世の中が追いついてきた。

勝屋 "鯖江市でおもろい人の情報を整理したらどうか。市役所の職員でも面白い人もいるし学校の先生でも面白い人もいる。" 

finderという、離れた地域に住む人のエネルギー交換を目指すプロジェクトや福井人という企画もありますね。

松野 "ジャパンプロデューサーというのをやっている""二年前から未来国会というのをやった.竹部さんのところは五年前。山形も六年前から同様の事例がある。未来国会の特徴は総理大臣というところからはじめた""遊佐町の少年議会""山形県遊佐町の少年町長""自分以外の人に一生懸命頑張っている人 = ジャパンプロデューサー"

藤川 "最近ブログ半年くらい書いていない。ブログについて最初は八戸市以外の人に知っ
てもらっても意味がないと思っていた。ところが,断水の予定をブログに書いたところ,東京にいる娘から連絡があって断水情報を知りました、という連絡をもらって、考えをかえた。""直接市民に関係のない情報とかも色々ブログ書くようになった."

本荘 "松野さんは竹部さんのやっていることを鯖江に来るまでしらなかった.それは福野さんと知り合って鯖江にこなかったらわからなかったこと。人のつながり大切。ソーシャルウェブはそれを助ける。"

勝屋 "もっと若者の力,高専の人とか,女性の人とかつながるとよいのでは"

松野 "おもろい人はジャパンプロデューサと見ている.ジャパンプロデューサ≒セルフ
マネージメントがよくできるひと."

藤川 "刺激を与えてくれる人は様々。何気なく呟かれたTweetが、思わぬ影響を巻き起こすこともある。""花火大会をUstやTwitter等で体験できるようにした。311の影響で花火大会中止が多かったが。八戸の花火大会については外からの反応がたくさんあった。外国からも。寄付したい等の話もでてきた。""情報発信を常にやっていくことで何かひっかかることがでてくる"

竹部 "学生は本当にかわいい。学生の成長を見るのが楽しい。自発的に地元や外の人とつながっていったりとか。"

勝屋 "わくわくしたことをしたい.何かを生み出す力,伝える力,つなげる力.この三つがオープンガバメントや地域活性化に入ると面白くなるのではないか"

本荘 "あと、受け取る力が大切"

松野 "リアル明治維新だと思っている.Facebookでつながると共通の友人がいて,そこが結構つながっている。"

捕捉に松野語録から:

「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢えるしかも一瞬早過ぎず、一瞬遅すぎない
時に」森信三(教育者・哲学者)

市議を14年務めてみて感じること。議員と言ったら選挙に立候補して当選しバッチをつけている人。政治家と言ったら『自分以外の誰かのために、汗水流してがんばっている人すべて(議員だけとは限らない)』。 だからと言って、全て「政治家」と表現すると、きな臭いので僕たち仲間うちでは造語ではあるが「ジャパンプロデューサー」と表現している。本荘さん流に表現すると
「チャンピオン」。勝屋さん流に表現すると「オモろい人」になる。

ニューヨーク市のチーフデジタルオフィサー。レイチェルスターンさん。関連サイト1、関連サイト2

■第三部 パネルディスカッションを踏まえ全員参加のワークショップ

具体的に何をするかを議論。6チームが発表。我々の班長は勝屋さん

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行政マンは「できない理由」や障碍や課題を見つけるプロフェッショナル。そこで思考をストップするのではなく、その「できない理由」をどうすれば解決して乗り越えていけるかまで考える。これがドミナントロジックからの脱却。

牧野市長の誕生日イブを祝いました。市長はブログ、Twitter、facebook日々更新すごいです。

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メンバーズ剣持社長、イデルの杵村史朗さん、牧野市長、jig.jp福野社長

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懇親会の集合写真。県外から様々な分野の方も参加。予想を上回る成功となりました。

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