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平時のルールは有事にあてはまらない Do the right thing.

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ルールは大切だ。これをあまりクリエイティブやフレキシブルに運用すると、困ったことになる。
しかし、平時のルールは必ずしも有事にはあてはまらない。"Do the right thing" .正しいことをするのが一番だ。盲目的なルール遵守はときとして、誤った行動になる。

阪神淡路地震の300倍以上のエネルギー、かつ津波を伴う想像を絶する大災害に際して、ルールはルールと杓子定規で融通が利かないことが多々見られるのだ。

まず、ガソリン不足が救済を困難にしている被災地に対して、3/16までガソリンを運ばせなかったことには驚いた。
高速道で通行証発行=タンクローリーに特別措置-被災地にガソリン供給・警察庁
被災地の方は、高速が無事なのにどうして使わないのか、と怒りはすさまじい。

また、メーカーが被災地用の電池190万個を政府のために準備したのに、送られたのは僅かだったと報じられている。「自治体から要請はない」からとの説明には言葉を失う。こうなると悪意にすら思えてくる。(TVニュースの後、動いたのでしょうが)


YouTube: 被災地向け電池190万個を止めていたのは政府だった

なんとかルールを変更した例もある。これはソフトバンク孫さんのツイートでも話題となった。
転校ではなく避難だから教科書を渡さず / 今回は救済措置で配布決定
しかし、ルール自体が不備の印象もある。だからこそ有事には、常に何が正しいことかを考えてからルールを適用すべきだ。

それから、これは法規ではないし、妥当性について小生には分からないが、仮の例としてあげると、原発事故でこういうことがある。口にするものについての基準値が、いま日本が適用しているものはWHOの国際基準の1/10つまり、一桁少ない厳しいものに従っている。
参考:@hayano さんツイート「【じゃ,WHOは何と言っている?】放射性ヨウ素の国際基準は日本暫定基準の10倍.これ,WHOと違うじゃん,と思った人は,WHOが出しているSITREP http://bit.ly/i2e2ZM の13ページに,日本の基準は国際基準より一桁低いと明記してあること,ご確認下さい.」
(専門家ではないですが)国際基準でよくないか?と思ってしまう。
妥当性に異議を唱えるわけではないが、こうしたものでも何が正しいかを考えて、適切であれば基準を見直してやることだ。

もっとも各現場で判断しかねることが多く、やはり有事には「オレが責任とるから、こうだと思うことは言ってこい」というリーダーシップが必要だ。

参考までだが、現場でがんばった例に @NHK_PR さんがある。
Togetter - 「NHK_PRさんは阪神・淡路大震災経験者だった
あの有名なツイート(NHKテレビをUstreamで流すことについて)「@tarou5391s 停電のため、テレビがご覧になれない地域があります。人命にかかわることですから、少しでも情報が届く手段があるのでしたら、活用して頂きたく存じます(ただ、これは私の独断ですので、あとで責任は取るつもりです)。」に感動した人は多い。

みなにこうまでしろとは言わないが、リーダーがいても現場が声を上げなければ、電池は被災地に届かない。ひとりひとりも覚悟して臨みたい。

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