謝罪文は難しい
このところ世間では色々と謝罪文が話題になっていますね。
その内容がいいとか悪いとか、SNSなども通じてどんどん拡散されてゆくので、本来の趣旨から逸脱してもう収拾がつかなくなっている感じさえします。ここに危機管理の専門家が登場して、このように書けばよかったんだなどと解説してくれるので、なるほどねぇなどと感心したりもしています。政治家や芸能人などの公的な人物が出すものは、世間一般に公表を迫られるので、その難しさはひとしおでしょうね。
ただ、一般的に謝罪文は、その相手に対してのみ思いが届けばいいのですから、なにがどう悪かったのか誠心誠意謝罪するのみだと思います。この方法が結局は一番得策のはずですが、どうも最近、疑問符がつくような謝罪文を頂くことも少なくありません。
先日も、初見であったのですが、とある社会的地位のある方から謝罪文を頂きました。
たいしたことではなかったのですが、丁寧に非礼をお詫び頂きました。
文章も気持ちを込めて書いて頂いているのでそれに関しては問題ないのですが、ただ一文が気になりました。
それは、「貴方のホームページを丁寧に拝見いたしました」という趣旨の箇所です。
最初この文章を見たとき、なぜわざわざホームページを見たの? と疑問に思いました。
それから、ぐるぐるっと頭を回して考えた結果、次の結論に達しました。
ホームページを見たという行為を良心的にとらえた場合、次のようになります。
「迷惑をかけた貴方をちゃんとどのような方か調べさせて頂きました。それほど貴方は大切な方です。これからもよろしくお願いします」。
逆にこれを悪意にとらえた場合、次のようになります。
「貴方の身元は判りました。もし、匿名だと思って今回のことをSNSに投稿しても、だれが投稿しているのかすぐに判りますよ」。
もし、前者ならご丁寧な話ということに、後者ならちょっとぞっとする話になります。
まあ、実際どちらの意図だったのか、あるいは両方の意図を持たせていたのか、今更確かめる気もありませんが、謝罪文に余計な内容を付けると話がややこしくなるということなのでしょう。
もちろん、私も多々謝罪文を書きますが、このことを肝に銘じて誠心誠意謝罪したいと思います。