< ボイトレ>ビジネスマン・ビジネスウーマン・ビジネスパーソンのためのボイストレーニング/NO.6~母音を押さえクリアな表現でメッセージを伝えよう
我々の音声には、大きく分けて母音と子音があります。母音とは50音の第一列である「あ」「い」「う」「え」「お」を指します。それ以外の音を子音といいますが、実は子音の響きの中には母音が含まれています。この子音に含まれる母音の響きが適度であればなにも問題ないのですが、この母音が強すぎると話し方が野暮ったくスマートには聞こえなくなります。
そこで今回は、母音の上手な使い方についてお話ししましょう。
〇母音と子音
まず、母音と子音を説明します。母音は図の通り、「あ」「い」「う」「え」「お」。子音はその他の音ですが、例として「さ」「し」「す」「せ」「そ」を示します。実は、子音には母音の響きが含まれており、実際発声にするときは、図のように「さぁ」「しぃ」「すぅ」「せぇ」「そぉ」となっています。
〇子音は母音の響きが強すぎると野暮ったくなる
ここで、子音における母音の響きが強過ぎると、野暮ったくスマートには聞こえません。また話し相手によっては、バカにされているように感じてしまう可能性すらあります。
また、通常このような現象は語尾において発生します。例えば、「私は会社員の山田です」の悪い例を示すと次のようになります。
〇強過ぎる母音は、音の高さが上に抜ける症状と複合になっていることが多い
「ビジネスマン・ビジネスウーマン・ビジネスパーソンのためのボイストレーニング/NO.5」では、音を下から合わせに行くと音の高さが上に抜けてしまうというお話をしましたが、強調されすぎる母音も、上に抜けてしまうケースがしばしば見られます。いわば、複合症状になってしまうのです。「私は会社員の山田です」を例にとって、図解すると次のようになります。
おそらく、こちらの例の方が、「そういえばそんな人がいた」とイメージが湧くのではないかと思います。
〇ともかく自分の話し方をチェックしてみよう
これまでの説明を読んで、きっと自分はこんな話し方をしていないはずだと思われる方も少なくないと思います。しかしながら、一般的なビジネスシーンにおいても案外よく見かけられる症状です。といっても、母音「あ」のみを強調する場合や、「う」のみを強調する場合など人によってさまざまなケースが見受けられます。
ぜひこの機会に、自分の声を録音し確認してみてください。
〇語尾の音を上からとらえ短く極めることが大切
もし、自分の話し方を聞いてみて、語尾の響きの母音が強過ぎるならば、語尾の音を上からとらえ、短めにピシッと極めることを心掛けて下さい。語尾をピシッと決めると全体の表現が強くなりすぎるのではと懸念されるかもしれませんが、語尾の音が上に抜けてしまったり、母音の響きが強過ぎる方は、語尾において声帯に掛ける圧力が弱まってしまっている場合がほとんどです。圧力が弱まるから、音の高さが上に抜けたり、母音の響きが強くなったりするのです。この状態から語尾をピシッと決めたところで、印象が悪くなるほど強い表現になることはまずないと考えてください。
それでは、今回はこのあたりで。
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