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我が国は現在、閉塞感が漂っているとよく言われていますが、実は、よく観察すると、新しいビジネスチャンスがあふれかえっています。それを見つけて、成功させるコツとヒントをご紹介します。

レジ袋有料化の違和感

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この令和2年7月1日よりプラスチック製買物袋有料化制度が実施され、いたるところの店舗のレジ袋が有料化された。実施から1週間、買い物をするたびに「袋は有料ですけどどうしますか?」と尋ねられるので、日ごろからどれだけレジ袋を利用していたのかと改めて認識させられている。しかし、このレジ袋有料制度には、どう考えても違和感が残る。

そもそも、資源・廃棄物制約や海洋ごみ問題、地球温暖化といった課題のために、プラスチックの生産及び廃棄量を減らしたいというのは理解できる。ただし、レジ袋は多くのプラスチック廃棄物の中でわずかに2%である。本気でプラスチック削減を目指すのであれば、直接プラスチック製造量、あるいは輸入量に対して課税したほうが効果的である。
また、レジ袋は海洋ゴミとしてクラゲのように海中を漂っているなどど衝撃的に伝えられることが多いが、それはレジ袋の捨て方を間違っている人間が悪いのであって、正しく処理されれば海洋汚染にはつながらない。どちらかといえば、社会的マナー・道徳の問題であり、ひいては教育の問題である。罰則を掛けるのであれば、不当にゴミを捨てる人間を厳しく罰するべきである。

どう考えても、目的と手段のチグハグ感がぬぐえないのだ。

ここで少し方向性を変えて、数字で楽しんでみたいと思う。
日本で1年間にどのくらいのレジ袋を消費しているかというと、こちらのコラム「検証。私たちは1年で一体何枚のレジ袋を使っているのか?」(https://bit.ly/3fbouli)に頼れば、2017年度で少なくとも360億枚ということだ。もし、レジ袋有料化後にその使用量が半減したとして、レジ袋の単価をコンビニに合わせて1枚3円と低めに考えれば、我が国の消費額は次のようにアップする。

180億枚×3円=540億円

ちなみに、この売上は課税売上なので50億円程度の消費税収入がアップとなる。さらに、店舗は原価でレジ袋を提供しているとすれば、いままでは経費だった分が売上として回収できるので、日本全国で540億円の利益が生まれることになる。そこで、法人税・地方税等々を含めてざっくり税率30%と考えれば147億円程度の税収が生まれる。
つまりは、現在からレジ袋の利用が半減したとしても、税収は200億円ほどアップするのだ。さすが日本の官僚は優秀である(笑)。

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