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機能検証:Facebookのグループはコラボレーションツールとしてどこまで使えるか?

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最近、「学生時代の仲間を集めた同窓会用の掲示板」を主な用途として使うべくFacebookのグループの可能性を機能検証してみたので、「運用上のノウハウ」など、その結果をご報告してみたい。

1) メーリング・リストよりも優れている点

これは言うまでもなく、画像データなどを別途保存できることであろう。

「投稿、リンク、写真、動画」の4項目は、モバイル活用を意識して相当簡易に書き込みができるようになっている。例えば、誰かが何かを投稿すると、そのディスカッションスレッドがすべてメールとして飛んでくる上に、メールの返信が自動的に投稿になっている。
出先のモバイルツールでメールしか使えないときなどに有効だ。

写真、動画では、コンピュータからの投稿=保存済みファイルからの投稿と、ウェブカメラからの投稿が分けられている。

恐らく iPhoneなどで撮影して、いきなり投稿することを想定しているのだろう。

ただし、リッチテキストの入力はできない。画像や動画にコメントをつけるだけなのが残念。

2) 掲示板としての挙動について。「ドキュメント」活用のススメ

2-1) デフォルトのビューでは、メンバーの追加やメイン文書の書き込みがダダ漏れで表示される。

  • コメントが長いものは最新の2つのコメントだけが表示され、古いものは隠される。
  • 「コメントx件をすべて見る」のリンクを表示すると、残りのコメントが展開して表示される。
  • ただし、いったん展開されたコメントを再び閉じて画面をスリムにするコマンドはない。ブラウザを「reload」するしかないのは、ご愛嬌。
  • 「お知らせ受信を停止」は、前述の「誰かのコメントがついたらスレッド丸ごとメールに転送する」という機能を、親文書単位でDisableする機能である。

2-2) ビューとして意味があるのは、「ドキュメント」のみ

  • 「ドキュメント」で書き込みすると、「ブレットやリストなどの箇条書き、太文字化」など簡単なレイアウト編集機能がつくと同時に、右上のナビゲーション画面に親文書のリストが表示される。

Fb

  • この親文書リストからクリックしていくと、関連するコメントだけを抽出して表示する。
  • したがって、リアルタイムではなく非同期で時間をかけてディスカッションしたいトピックの場合は、必ず「ドキュメント」で親文書を登録することがオススメ。
  • 普通に「投稿」などで書き込むものは、時系列で流れていくのでスクロールも面倒くさくなり、古いものは見られなくなることでしょう。

3) スケジュールツールとしての「イベント」

  • イベントのビューは、グループの中にはなく、個人のビューとして表示される。
  • 案内先は、案内を出した時点でのグループメンバーに送付されるようなので、グループメンバーが変化している場合には、何度も送信しなおす必要がある。
  • 案内の再送信にあたっては、最下行に「xxxx(グループ名)の新しいメンバーを招待する」というチェックボックスがあるので、これを活用したい
  • 「参加予定、未定、未回答」などの回答statusは、イベントの中に入った時点で左のナビゲーション画面に表示される。
  • そのほか、「イベントに関するオンライン・ヘルプはこちら」。記述内容は思ったより充実している。が、機能としては、本物のグループウェアと比較するとマダマダ。
  • 個人のPIMツールとのカレンダー連携などに関しても、一応Apple iCal, MS-Outlook, Google Calendarへのエクスポート機能はあるようだが、Web上の様々な空間に存在するWebサービスを活用した同期になるため、中間にあるプログラムによる国別の時差の取り扱いや中間データを持つことによるセキュリティ不安などの関係も考慮すると、実利用にはまだまだ無理がありそうな感じ。

4) アクセス権管理について

  • グループそのものについては、公開、非公開、秘密の3通りがある。
  • 恐らく一般的な使い方は、「非公開」を選択し、コンテンツは非公開にするもののグループの存在やメンバーリスト、管理人か否かなどを公開するものだろう。

Facebook

この選択により、初めてFacebookに登録したユーザーは、自分から以下のアクションを起こすことが可能

  • 検索で仲間が所属するグループを探す。
  • グループのメンバーを見て、新しく友達リクエストを出すとともに、管理人に対してグループへの登録を依頼することが可能

もしもグループのプライバシーで「秘密」を選択した場合には、この種の「グループの存在のお知らせや管理人への連絡、登録依頼」などをメールなどの別手段によって行わねばならない。少人数のグループなら運用可能だが、管理人の作業負担は増大する。

また、グループの設定で「親子関係を作ることは出来ない」ようだ。
企業内で組織だった利用を行う場合には、この問題はついて回る。
例えば、「営業1課、2課、3課」の3つのグループを束ねて「営業部」というグループを作ることは不可、改めて営業全員を登録した「営業部」というグループを別に作成する必要があり、細かく分ければ分けるほど「グループメンバー登録」のメンテが大変になる。

今回の「同窓会の掲示板用」という用途においても、在校生を入れたグループ、先生を入れたグループなどを別に作って運用するかどうかが議論のポイントになりそうだ。

ソーシャルネットワークの基本概念としては、「そもそもグループに親子関係は存在しない」ということなのであろう。この辺が、従来の企業内グループウェアとの大きな相違点だと感じる。


「所感」

グループ内のメンバーをすべて平等に扱う少人数の趣味的なディスカッションツールとしてなら、何とか使える機能ではあるだろう。

「ソーシャル系のツールを使うと情報共有が進む」かのようなイメージは、実はアクセス権管理の貧弱さ(思想の違い)に由来しているような気がする。

Lotus Notes/Dominoのようなセキュリティ機能の充実した企業内コラボレーションツールを用いると、「よそ者 (上司、他部門、人事部など)には見せたくないが、仲間内だけでバーチャルに議論したい」という空間が簡単に作れてしまうので、秘匿された空間を保障することにより活発な議論を促進する一方で、「組織内の壁を助長してしまう」という副作用も出てしまうのだ。

しかし、これはツールの問題ではなく、運用方針・ノウハウの問題でしかないのである。

立派な企業内コラボレーションツールを既に持ちながら、「ソーシャル系のツールに入れ替えれば、もっと情報共有が進むかも。。」などとお考えの方々には、胸に手を当てて考えていただきたい問題だ。

まあ、自ら運用方針の変更を提唱すると「セキュリティ軽視」という誹りを浴びかねないので、安いツールへ入れ替えることにより、暗黙のうちに運用方針も変えてしまおうという確信犯のパタンもあるかも知れないが。。

何かの記事で読んだ記憶があるが、あるアプリ開発者のコメントで「Notes/Dominoのように簡単にアクセス権管理が設定できるツールを導入すると、汎用技術を駆使するWeb系プログラマーの技術レベルが下がるので使わせたくない」という話があった。実際、私も20年近く前にIT業界に飛び込んだとき、逆の見方であるが、「Notes/Dominoなら自分のような非エンジニアでもシステム管理者側になれる」と自信を持つことができた。

アクセス権管理の技術的実装と運用ノウハウには奥深いものがある。20年近くも前からそのあたりを看破していた Lotus Notes/Domino というproductには改めて敬意を表したい。

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