“エリック松永の就活道場“ -志望業界、企業をどうやって絞り込むか-
毎年、お馴染み”エリックの就活道場”を開催しました。大きな会場での話では聞けないような、濃~い内容で学生さんとお話をしていこうと思っています。
まず、就職活動にあって何をすべきかという全体像をイメージしてみましょう。木を見て森を見ず、ビリー・シーハンを見てMr.BIGを見ずではいけません。就職活動は大きく2つのフェーズに分かれます。1つは、
1.志望業界、企業の絞込み
2.志望企業への具体的アプローチ
です。よく、ESの書き方を締め切り土壇場になって徹夜で書いている学生さんがいますが、実は、最初の志望業界、企業の絞込みからES、そして面接と、その流れは密接に結びついています。そういう意味では、1.の志望業界、企業の絞込みがきちんと出来ていれば、ESや面接で困ることは無いはずです。今回は、まず一番重要な志望業界、企業の絞込みについてお話したいと思います。
<志望業界、企業の絞込みについて>
就職で一番難しいのは、本当に自分が何になりたいのか、どんな業界で、どこの企業で働きたいのかについて、自分に嘘をつかない事です。自分では無理、周りが言うから等、外的な影響は仕方ないのですし、試験に受からなければ入社できないのは当たり前ですが、まずは本当の気持ちを確かめることから始めるべきです。しかし、実際には周囲の意見に振り回され、志望企業というよりは志望させられてる企業になっているケースが多いのではないでしょうか。2チャンネルでは就職偏差値のようなデータも見受けられ、大学受験の延長のように考えられがちですが、就職に関して言えば、難関度順と社会人としての満足感がほとんど一致しないのも事実です。まずは何の雑音もなく、素直に自分の夢について振り返るべきです。
人間の価値観は人それぞれです。自分がなにで満足感を得られるのか、逆に劣等感を増強されるのかは、あなた自身しか分かりません。自分の価値観を理解した上で、今後の進路を決めていくことによって、より後悔のない就職が出来るはずです。(”より”と言ったのは、どんな選択肢を選んでも完璧はないという意味合いでそう言いました。)
とは言え、自己分析ばかりしていても、その後どうすればいいのか分からないと限られた時間の中でスケジュールは立てられません。企業内定までの全体プロセスを考えて見ました。だらだら机上で悩んでも何も進展しませんので、さくさく進めれば:
1.自己分析による入りたい業界、企業の洗い出し。(1week)
まずここでは理屈ぬきで、憧れる業界、入りたい企業をリストアップして書き出しましょう。
2.何故、その業界、企業に入りたいと思っているのかの分析。(1week)
自分が、どうしてその業界、企業に入りたいと思っているのかについて、思いついたことをメモします。例えば、お父さんの会社だから、給料がよさそうだから、もてそうだから。最初のメモをベースにさらに細かく分析していきます。なぜお父さんの会社に入りたいのか。例えば、お父さんがその会社がいいといっているから。では、どこがいいのか?お父さんは、どういう企業をいいといっているのか?等、どんどん深く分析していきます。
3.その業界、企業に入りたい理由に当てはまる、他の業界の選択肢がないか検討。(4.込みで1week)
その業界、企業に入りたい理由をつきつめていくと、その条件が当てはまるような業界や企業が他にないのかを考えて見ます。商社マンはもてそうだから***商事、では他にもてそうな業界、企業ってないのか。あれ?広告業界ももてそうだな。*通もかなりもてそうだ、といった具合に、最初に入りたいと思った業界、企業の理由に当てはまるものが他にないのか、もう一度じっくり考えて見ます。これは就職活動の幅を広げることになります。学生さんは、意外と自分の志望をあまり考えないで絞り込んでしまっているケースが多いので、このような検討は大変有効になります。
4.出来れば志望業界、企業に複数の選択肢を持った上での絞り込み
ここでは広げた選択肢をいちど一気に狭める検討をします。具体的なアクションとしては、
・志望業界・企業分析(机上)(1week)
自己分析により志望理由を再度明確にし、志望業界、企業に対して、机上で市場の動向、企業の状況などをマクロ分析から、出来れば企業情報まで細かく情報を集めます。そして、志望する理由をさらにパワーアップするフェーズです。
・OBOG訪問(4week)
志望理由を明確にした上で、OBOGにしか確認できない生の情報をOBOG訪問から得ます。資料から分かるような質問は絶対にしない事。基本的に、インターネットや書籍から知りうる情報をベースにどうしても聞きたいこと、確認したいことを簡潔に質問し、志望業界、企業をさらに絞り込みます。もしかしたら、生の話で他の企業や業界へ興味が拡大されるかもしれません。その時は、その企業に対して、もう一度2の何故、その業界、企業に入りたいと思っているのかの分析に戻り検討を繰り返します。
・最終的な希望企業の決定(1week)
自己分析による志望企業、様々な分析やOBOGの話を聞き、最終的な志望企業の絞込みを行います。この時、現実的なパラメタとして自分の出身大学の入社実績などもシビアな現実を加味し、本命と、本命が厳しい結果になったときのPlanB(同じような難関度ではなく、違う視点の価値観で難関度の低いところに価値をみいだせるかがポイント)まで考えることが出来れば、志望企業に向かって具体的な対策を組む準備が完了したといえるでしょう。
これらのプロセスは1つが終了したら、単純に次へ次へと行くような訳には実際にはいきません。立ち止まり、振り返り、再度考えを繰り返して最終的な決定へと結び付けます。これは徹底的に考え抜くべきですが、時間を区切ってある結論を出すことも重要です。上に参考まで期間を書いていますので、まずは自分のペースでどれくらいの時間をその検討に割くのかを計画した上で検討を始めてください。見切り発車はだめ。ご利用は計画的に♪
Peace out,
Eric
“エリック松永の就活道場”の幹部(笑)のお二人と♪(青山学院大学にて)