オルタナティブ・ブログ > 「ベンチャースピリット」 X 「セレンディピティ」 >

シリコンバレー駐在のIT商社マン、榎本瑞樹(ENO)が綴る米国最新ICTトレンド

ついにTwitterベースのクラウドソーシング・サービスが出た!

»

 Twitterの訪問者数が急激に伸びています。3月のニールセン・オンラインが発表した調査結果によると、2008年2月のユニーク・ビジター数が47万5,000人だったのに対して、2009年2月では703万8,000人と1382%の伸び率。しかも、ビジターの世代別統計では、35~49歳の割合が41.7%と、圧倒的に伸びているとのことで、企業ブランディングや顧客リレーションなどビジネス利用も増えてきているのではないかと想像しています。

 そこで、今回紹介したいのは「Twitterユーザコミュニティを活用したクラウドソーシング・サービス」を提供しているスタートアップ企業です。Googleのお膝元、Mountain Viewに本社がある「Tweet Brain」社は、TwitterアカウントでTweet Brainサイトにサインアップすると、Twitter登録者に対して質問を投げることができたり、回答を貰ったりするこができます。自分のフォロワーだけでなく、Twitterコミュニティ参加者全員に質問をオープンにすることができる点は、まさに群衆の叡智ですね。

Tweet_brain

 4月15日にβサイトとして公開されていますが、ステルスモードなので、まだまだユーザは少ないですね。創業者のDexin Shi さんは、中国出身の起業家でシリコンバレーでもう1社Webホスティング会社を共同経営しているそうです。

 また、質問者は回答者に報酬を与えることができ、期限も設定できます。報酬はPaypal経由でクレジットカード決済されます。例えば、1.Aさんが$10.00の報酬で質問した場合、手数料$1の合計$11を支払う。2ベストアンサーに選ばれたBさんは Paypalへの5%手数料を差し引いた$9.50を得ることができるといった具合です。

 Twitterアカウントとパスワードをそのまま利用できますが、Twitterデータのポータビリティ(相互利用)はまだ実装さていないようで、今後、OAuthを利用することも考えているようです。SNSやブログ・ミニブログ、動画・写真共有、ソーシャルブックマークなどのソーシャル・コンピューティングの普及により、アイデンティティとユーザデータの分断が起きている現状ですが、Open IDやOAuth技術の革新により、ユーザにとって利用しやすいものになることを期待したいところ。Twitterやそのエコシステムがどのようなビジネスを展開してくるのか、今後が楽しみです。

Comment(0)