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共創でマーケティングを変える!

エンゲージメント・サーベイ

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マーケティング3.0の時代において、顧客と企業・ブランドの関係はどうなっていくのだろうか?この度弊社で行った「第1回エンゲージメント・サーベイ」のサマリーをご紹介します。(調査はネットパネルを活用し、2015年1月に行いました。n数は576名です。)

  1. 好きなブランドや企業がある人のうち、57%の人が「好きな企業やブランドを知人に推奨する」
  2. 「商品の購入の際に企業の考え方や理念が重要」な人は50%
  3. 企業やブランドを積極的に推奨する人ほど、「企業の理念や考え方」を重要視している
  4. 企業やブランドを積極的に推奨する人ほど、「企業の社会的な課題の解決への取り組み」を重要視している
  5. 好きなブランドや企業がある人は、テレビより「ブランドや企業のWebサイト」および「SNS」によるコミュニケーションで共感しやすい傾向にある

この調査で改めて明らかになったのは、成熟した消費社会における成熟した消費者と企業・ブランドの関係です。彼ら(成熟した消費者)は、商品そのものに加え、その企業・ブランドの考え方や理念を重要視しており、しっかりとした考え方を持つ企業を指示しています。これはコトラーのマーケティング3.0で唄われているマーケティングの指針を「会社の理念、ミッション」であるべきとの論を証明しています。

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特に企業・ブランドを推奨する顧客(いわゆるNPS:Net Promoter Scoreが高い顧客)に於いてはそれが顕著です。下記のチャートをそれを示していますが、NPSが高い層ほど「企業の考え方や理念」は、購入に際しての重要な因子となっています。

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多くの企業の場合、理念と言えば会社の壁に貼られている「抽象的なお題目」と捉えられていますが、この理念を忠実に実行することこそが、顧客とのエンゲージメントを高め、継続的に収益を上げて続ける原動力となるのです。ただし、理念を具体的に実効計画に落とし込み、その効果測定を行っている企業は多くはありません。今一度自社の理念を見直し、企業活動として実行できているのか、また、それを顧客に伝えているのかを再考してみてはいかがでしょうか?

そして理念を伝える場としてのオウンドメディは重要です。下記のチャートを見れば一目瞭然です。

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自社の理念を顧客との共有価値にできるかどうか?それこそがエンゲージメント・マーケティングの最も重要な課題であり、企業がチャレンジすべきことなのです。ブランド構築も同義だと思います。

CSV的な質問も行いました。社会的な課題解決にコミットすることと購入時の影響です。

0330_img4.pngのサムネイル画像

社会的な課題解決活動とビジネスの両立がCSVの目的ですが、この調査ではその効果が証明されています。特にNPSが高い熱心な顧客層でのそれは顕著です。これは成熟した消費者と企業・ブランドとの共有価値が「社会的な課題解決」であり、ビジネスの源泉になり得ることを示しているものと思われます。

今後も弊社では顧客と企業・ブランドのエンゲージメントに関しての調査を行っていき、適宜こちらにもアップします。

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