オルタナティブ・ブログ > C'est la vie >

デジタルとアナログの間を行ったり来たり

エンボスのないクレカの秘密

»

 今年はじめにスイカビュースイカカードに切り替えた。スイカとはJRの自動改札でタッチ&ゴーで精算できるカードで、それにクレジット機能がついたのがビュースイカカードだ。

 確定申告でビューカードの明細を確認していたら今年1月に有効期限が切れるポイントがあることに気付いた。その時はすでに2月だった。有効期限内ならルミネ商品券がもらえるほどのポイントがあったが、一部ポイントが失効したためにそれには届かなくなっていた。……ああ口惜しや。しばし明細書を手にして心は失意体前屈(オー・アール・ゼット)となっていた。

 しかし。しかし、しかし。まだ望みはあった。明細書をよく見れば、ビュースイカカードなら3月末までポイントをスイカにチャージできると書いてある。なんと。まだポイントは死んでいない。ルミネ商品券ほど交換のパフォーマンスはよくないが、ポイントが水の泡となるよりはましである。

 あわててビューカードをビュースイカカードに切り替えるよう、Webから申し込んだ。実は引落先に指定している銀行口座名義を結婚改姓したり元に戻したり、支店の統廃合で口座番号が変わっていたりしたのでちょっと手続きは厄介そうに思えたが、なんとか1週間ほどで新しいカードが届いた。そして喜々うきうきうっきっきーとJRにあるATM「VIEW ALTTE」にて400ポイントを消費してビュースイカカードに1000円チャージした。やったあ。ポイント救出成功だ。

 こうして私のスイカカードとビューカードは合体して1枚のスイカビューカードとなった(厳密にいうとクレカ番号は新規に割り振られるが)。来年度中にはスイカはパスネットと相互利用可能となるらしい。しかも新しいカードは表面がつるつるしていてどこかカッコイイ。クレジットカードなのにエンボスがないのだ。

 知人にいきさつを話しながらエンボスがないことに触れるとその理由を教えてくれた人がいた。クレジットカードのエンボスはたいてい裏から数字を押しつけて凹凸をつける。だが、ビュースイカカードではそんな力をかけたらチップが壊れてしまうからエンボスにできないというのだ。よく見てみると確かにカード番号の付近に丸く浮き出た部分がある。

 そんなことを話していたら初期のスイカカードを見せてくれる人もいた。ペンギンの絵柄がレアなものだ。すると脇から「これ、現在のと仕様が違うから消費電力が…」「スイカ定期券だとカード機能を持たせるのは…」とマニアックな方向に話が進む。私は聞きながら「へえへえ」の連発だった。

 ところでこのスイカビューカード、使用にあたって心配なことがひとつあった。スイカとは要は交通機関で使えるプリペイドカードだが、いまやクレジットカードでもある。パスケースに入れたままで使えるとはいえ、カード番号はおろかクレカであることはできるだけ隠したい。そこで現在はパスケースに裏向きに入れて、パスネットカードで覆うようにしている。

 ちなみにパスネットといえばいつもは路線図の標準絵柄を愛用しているが、いまはフィリップスコレクションが入っている。この絵は映画「アメリ」にて近所の住人でアメリの相談役だった老人が何度も模写していたルノワールの絵である。

※失意体前屈:orz

Comment(0)