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TEDxTokyo2012 小室淑恵氏のアイデア 「日本の社会問題は、長時間労働をやめることで解決できる」

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2012年6月30日(土)、TEDxTokyoのパブリックビューイングを見に、渋谷ヒカリエへと赴いた。

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案内スタッフさんのボード。TEDxは多くのボランティアで運営されている。

TED Conference(テド・カンファレンス)とは、アメリカ発祥の講演会のことである。ちなみに、TEDは「Technology」 「Entertainment」「Design」の略称だ。NHKで現在「スーパープレゼンテーション」という番組が放送されているので、そこでTEDのプレゼンを見たことがある人も多いのではないだろうか。さらに、そこから派生したTEDx(テデックス)は、TEDのコンセプトである「ideas worth spreading」 のもとに世界各地で発足されているコミュニティーであり、今回私が参加したTEDxTokyoは2009年から開かれているものだ。

WEBでも無料配信されるので家で見ても良かったのだが、周りに人が居る環境で見るほうが「TEDらしい」かなと思い、ヒカリエでのパブリックビューイングに申し込んだ次第である。ちなみに、プレゼン会場での観覧チケットは気付いたときには申し込みが終わっていた。無念。

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クリエイティブスペース「8/ (ハチ)」の01がパブリックビューイングの会場。

TEDでは、プレゼンターそれぞれが紹介する「アイデア」にフォーカスするということで、会場構成は至ってシンプル。しかし、そこでのカメラワークや照明などは洗練されており、こうした裏方にプロフェッショナルの存在を感じた。こうした配信関係は流石に外注しているのだろうか。それとも、プロがボランティアとしてやっているのか。

■小室淑恵氏のアイデア 「日本の社会問題は、長時間労働をやめることで解決できる」

さて、肝心の講演だが、ジョン・健・ヌッツォ氏の素晴らしい歌声による華々しい幕開けから、棋士の羽生善治氏、水中アーティストの二木あい氏と、非常にバラエティに富むセッションが続く。10分程度の短い持ち時間にも関わらず、それぞれ濃密な時間を過ごしてきた方々なのでそこで話される内容もとても興味深いものが多い。

特に私の印象に残ったのは、株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長 小室淑恵氏のアイデア。「長時間労働をやめることが、日本のさまざまな問題の解決につながる」というのは、自分にとっても思い当たるフシが多くあるので、苦々しい思いを抱きながら聞いた。冒頭、彼女自身の子育ての話から少子化問題に触れ、長時間労働が家庭に与えるダメージと、そしてビジネスそのものにも悪影響を与えていることを明らかにしていく。

「今の日本の企業は(働く)時間をかければかけるほど、むしろ成果が落ちて行くという負のスパイラルにはまりこんでいる。60時間以上残業する人は、日本が世界で最も多い。しかし、1人あたりで生みだしている付加価値は、なんと先進国で最下位。」

私生活が少なければ少ないほど、体験によるインプットが減る。アイデアもないのにそれを持ち寄って会議してひっくり返しても、(いいアイデアは)何も出ない。だから会議が長引き、貧困なアイデアが出て、売れない。帰れない。ぐるぐるぐるぐる繰り返しているわけです。」

さらにここから介護の話にも踏み込みながら、長時間労働についてのデメリットと、それをやめた場合のメリットについて、明朗かつ論理的にプレゼンを進めていく。すらすら話が進み過ぎて、逆にどこか騙されてるんじゃないかと言う疑念すら湧いてくる(実際理想論な部分も多く含まれるし、労働時間を減らした分は精一杯生きろよということが常に示唆されている)のだが、
そこに突っ込むのはあまり意味がない。キーポイントはこのアイデアだ。

TEDの精神である「ideas worth spreading」に則って、小室氏の「長時間労働をやめる」というアイデアに賛成し、実際のセッションの動画を紹介したい。ぜひこちらを見て、各々で働き方を考えてみて欲しい。自分も考えます。


■関連リンク

TEDxTokyo
http://tedxtokyo.com/ja

TEDxTokyo 30/06/2012 - YouTube
http://www.youtube.com/playlist?list=PL629FCC64F4B98ED5
スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンライン
http://www.nhk.or.jp/superpresentation/
・TED Talks 日本語字幕付き 
http://www.ted.com/translate/languages/ja
【すごいプレゼン】TEDを初めて見る人におすすめの10本 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2130899017379563201

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