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平成生まれの就活が始まる~「親子就活」書評

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オルタナブロガー中村昭典さんの著書「親子就活」を読了。親の立場ではなく、数年前に就職活動をしていた頃の「就活生」の気持ちに戻って読みました。

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「親子就活」 親の悩み、子どものホンネ (アスキー新書)




私の話になりますが、就職活動を終えたあと、学生生活と就職活動のギャップに問題意識を感じて、学生が運営する学生のための「就職支援団体」の運営スタッフをやっていました。自分自身の就活でその団体にお世話になったこともあり、その恩返しの意味もありました。「就職コンサル」を仕事にされている方からは、「学生が学生に対して、人生を左右するような就職のアドバイスなんかするもんじゃない、自惚れるな」と言われたこともありましたが、後輩たちにとっては、誰よりも身近な先輩たちが苦労した経験や成功体験を知ることが一番いい情報となるんじゃないかと思っていました。結局、そのコンサルの人もなんだかんだいって手伝ってくれていたのですが。

本書では、そんな就職活動の「いま」を、様々なデータを交えて俯瞰することが出来ます。マーケティングでは基本要素ですが、「いま自分がどんな状況に身を置いているのか」を把握することは、そのあとの行動の判断材料になります。就職活動で社会という戦場へ赴くにあたり、地形も戦況もろくに把握せずに戦うというのは危険極まりないでしょう。(まぁ、本当はそれよりもっと前から戦地に放り出されているってことに気づくべきだけど。)

また、それ以前の問題として「そもそも目的がない」「何がやりたいか分からない」というケースも多くあります。中村さんはその点を憂慮されており、第4章の「翻弄される若者のキャリア観」の冒頭は、この記事のタイトルにさせていただいた「平成生まれの就活が始まる」という話から始まります。私自身の想いと重なっているからかもしれませんが、中村さんはこの第4章の思いがきっかけ、もしくは原動力となってこの本を書いたのではないでしょうか。夢を描けず、自分でものを考える力をなくした若者たちへの不安。そして、もしかしたら、そうなるような教育をしてしまった、与えすぎ、甘やかしすぎな親たちへの警鐘を鳴らすべく。

本書では、過去から現在までの就職戦線の変化と、それぞれの世代の若者たちの心情を捉えることが出来ます。そのうえで、親と子がこれから出来ることは何なのか・・・。自分が親になった頃にもう一度読み返したい本でした。

ちなみに、「最近の新人が何を考えてるのか分からない」というリーダークラスの方々が読んでみるのも、それはそれで面白いかもしれません。

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