「機内の個人用モニター廃止」は個人的には残念だけど企業姿勢としては
『機内のモニター画面は「時代遅れ」、アメリカン航空が新機体で廃止』
という記事を目にしました。
最近ではスマホやタブレットを持ち込む利用者が多いため、コンテンツと接続環境の整備に重点を置いた方がいい、という理由です。
私はデジタルセールスという現在の仕事上、自席にいることが多く、国内出張で飛行機を使うことは年に数回というレベルです。海外も数年に一回旅行で行くくらいなので、飛行機のヘビーユーザーではありません(一応ラウンジを使える上級会員の資格は持っているのですが)。
個人的には、国内線にはモニターはなくてもいいかなと思います。搭乗時間も短く、チャンネルを選ぶこともできないのであれば、安全のガイドとフライトマップを前方スクリーンで映せば十分ではないでしょうか。つい先日、期間限定とはいえ、JALが機内WiFiが搭乗中ずっと無料になるというキャンペーンを発表しました(現在は15分のみ無料)。個人のスマホやタブレットでネットに接続できれば(あと、充電できるようにしてあれば)それでいいと思います。
一方、国際線は個人モニターを残すべきと思っています。フライト時間が長いため、様々なエンタテインメントを提供し、利用者を飽きさせないことが必要と思うからです。最新作を含め、数多くの映画をいつでも見られるようになっていて(昔は開始時間まで待たないといけなかったですね)、小さな画面とはいえ、なんか得した気になるものです。ゲームをしたり、音楽を聴いたりもできます。長いフライトなので、バリエーションが豊富なのはありがたいです。個人的にはフライトマップを切り替えて見るのが好きだったりしますが。
個人のタブレットで映画などを見られるようにするといっても、ずっと手で持つのも疲れるし、何よりもタブレットを持ってない人も多いでしょう。
というわけで、個人的には個人用モニターは残してほしい派なのですが、航空会社側の事情としては、コンテンツ準備やモニターのメンテナンスより、WiFi環境を整える方がコスト的にメリットがある、ということではないかと思います。その探求は私の本分ではないので、ここではしませんが。
何かをやめるときには、誰かからは不満が出るものでしょう。代替策を提示したとしても、それに納得しない、満足しない人は必ずといっていいほどいるからです。
ただ、企業としては決断しなければなりません。ずっと同じものを提供することは停滞につながるからです。
このブログ「オラクルの体質改善(クラウド戦略)は間に合うのか!!
」にOracleは今年創業40年を迎える老舗のIT企業と書かれています。ITの世界では40年でも老舗なんですね。それは確かにそうです。でも私の勤めるIBMは今年で創業106年です。日本IBMとしては80周年の年にあたります。106年前にはITなんて概念もありません。全然別のものを扱う会社でした。80年前はともかく、20年前、いや10年前と現在でも、提供している製品やサービスは大きく異なっています。
PCやPCサーバー、プリンターやPOSなどを売却し、ソフトウェアやサービスに注力する。最近ではクラウドやコグニティブにフォーカスしています。常にイノベーションを追求する企業文化なのです。そうでなかったら、とっくに市場から退出させられていたことでしょう。
常に変革を意識しながらお客様の方を向く。スピード感とクオリティを持ったままで。
これが生き残り、選ばれる企業に必要なことなのではないでしょうか。
IBM 中山貴之のWeb Page (平日は毎日更新中)