堀内浩二著「リストのチカラ」を読んで
最近、オルタナティブ・ブロガーが本を発行される事が多く、読んでみるとその人の個性とか、大げさに言うと、人生に対する考え方とかが如実に表れている。この堀内さんの本も、堀内さんの人柄が表れていると思う。
この本の構成は、前半が多くの偉人や成功者の作った、箇条書きのノウハウが書かれている。知っているものも多いが、こうやって活字になっていると、あやふやな記憶も払拭できる。初めて見るリストには、「ほーっ」と感心するものもある。
しかし、堀内さんが書きたかったのは、たぶん、「(自分で)リストを作ってみよう」の部分だろうと想像できる。自分のリストを作ることは、自分にとって何が大切なのか、何をしたいのか、どのように進めたいのか、といった、人生の取捨選択を考えるだけではなく、ペンを使って、あるいはPCで、一番良いのは鉛筆だと思うが、書き記すことにある。
書くことにより、箇条書きにすることにより、無駄な尾ひれが取れ、本当に自分がしたいことを、半ば自動的に目の前に表してくれるのが、「(自分の)リストを作る」ことなのだと、思う。だから、この本は、読むだけでは完読したことにはならない。堀内さんの、(ほんとに心優しい)コーチングを受けながら、自分のリストを作ることこそ、最終段階だろう。堀内さんは、あなたの思考を邪魔しない。にこやかにハウツウを教えてくれるだけ。なのに、最後は、あなた自身が知りたかったことを、目の前に出してくれる。
そんなとき、前半の珠玉のリスト集は、たまにパラパラと眺めて、あっ、そういうこともあるのかとひらめくための、材料として最適だ。私が一番気に入ったのは、実はこれです。
- お金などいらぬという風情で働きなさい
- 傷ついたことなどないかのように愛しなさい
- 誰にも見られていないかのように踊りなさい
涙腺がゆるゆるの私は、思わず涙が出そうになった。これは、スター志願者への3つのアドバイスなのだそうだが、永遠の言葉と言えないこともない、と感じる。