【大胆不敵】 2008 - 2011年のITの10大予測 - その1 PC市場が、Googleが・・・。
2008年の年頭にあたり、今年の予想や分析をする記事を目にする。おーっ、それなら私もやったろうじゃないの、と年末の忙しいときに思いついてしまった。私はこう見えて、猪突猛進型である。一度決めると、ついつい突っ走ってしまう。で。書き始めちゃった(あ〜ぁ)。
2008年のITの展望を予測しても、1年後には結果が出てしまう。これでは、私の分析能力の無さが暴露されてしまう。3年後でもまだ近い、5年後だと遠すぎる。なので、2008年から2011年まで、4年間の変化を大胆に予測しようと考えた。
すでに10大予測は行った。基本的な裏付けは、大体してあるつもりだ。こういった分析で、一番重要なのはデータではない。正しい、論理だった推論である。私の推論や、基盤となる技術は、サン・マイクロシステムズの技術に負うところが多いが、極力宣伝にならないように注意したい。とはいえ、色はサン色に染まっているので、リサーチ会社の分析とは異なるし、どのように参考にされるかは、読者の考え方しだいだ。
なお、10大予測はさすがに1回では終わらない。たぶん、4回か5回、書くことになるだろう(飽きないでね)。10のうち、市場の変化を5つ、技術的展望を5つとした。タイトルは、
【大胆不敵】 2008 - 2011年のITの10大予測 - その x
とします。文中にジョークが入ってしまうのは、私の習性である。まじめにやれ、なんてコメントは書かないように。では、行きますかぁ。
1.PCの市場は減衰する
サンはPCを作っていないからねぇ、ではない。まあ、これは多くのリサーチ会社が同様の予測をしているので、なんら驚くことはない。たとえば、この記事(すみません、COMPUTERWORLD.jpの記事だし、半年前のだし。)このレポートでは、PC出荷台数を上方修正しているけれど、最初の表を見ると分かるように、対前年度比が10%以上あったものが、2009年では、8.7%になっている。右肩上がりから、水平化していく傾向(アナリスト、ロベルト氏はゆっくりと伸びると、やんわり言っているが)に、変わりはない。
このPC市場と言っているのは、Windows ベースのPCが大半だが、Macも減少していく状況は変わらないだろうと思われる。特にデスクトップ型は、もう伸び悩むだろう。
この業界の難しい点は、すでに価格競争の段階に入っており、Vistaが売れているのは、VistaのPCの価格をすごく下げたこととVista以外のWindows PCを販売しなくしたからだ。つまり、出荷台数が「ゆっくり伸びる」としても、価格が低く抑えられていると、市場の売上高が衰退していく。すると下位のPCメーカーは、製造を中止する事になる。
なにしろ、2007年、最大のがっかりが Vista だったからね。あと、個人的には、Leopard も想像していたより。ねーぇ。欲しいのは Time Machine ぐらいかな。あとは今月に出てくる、少しちっちゃいMacBook。ぐらいかなぁ。
結局PCの技術は基本的なニーズはすべて実現されてしまった、ということ。さらに言うと、今後は、みんなWebがベースになるので、企業のシステムですら、ブラウザとメールソフトがあれば、事足りる。Office ツールだって、たとえば、Google Docsを使えば、インターネットでオンラインで使える。つまり山のようにある機能はあまり必要ない。Windows 7は期待の次期OSだが、本当に消費者の心をつかめるのだろうか。
そこでいま、興味をもっているのが iPod touch だ。せっかく Wifi がついているのだから、Safariだなどと、力んでいないで、Firefox と Thunderbird をプリインストールして、販売したらいいのに。あとは、Office ツールは Google Docs でも良いし、たのSaaSベンダーで、OpenOfficeをオンラインで使えば良いのだ。と、iPod touch を研究用に買いたいと、かみさんには言ってある。
2.Google のビジネスが鈍化する
いまを輝く Google 様に向かって、なんて不遜な、と言われかねないが、どんな企業も、生まれ成長し、成長が飽和化していく。この飽和化(サチュレーション)は、必ず起きる。これはGoogle の株価の推移を5年間レンジでグラフ化したものだ。これを後、四年間、ずーっと右上がりに上げ続けられるとは思えない。
サチュレーションの起こる原因で、特に、シリコンバレー企業やベンチャー企業の特徴は、人の流出である。数年前に Google に勤めることは、技術者にとっては、たいへんな名誉だった。今でもそうだとは思うが、これから先、そのポジションがいつまで持つのか。昔の Netscape を思い出してしまう。
あと、AdWords や AdSense だが、マーケティング手法としては、別段魔法ではない。だんだん、使う側も飽きが来始めている。マーケティングをしている一担当者としての、素直な感想だ。Google もいまお金があるうちに、別のビジネスを展開していく必要があり、天才たちのことだから、あっと驚くような新技術を見せてくれるかもしれない。ただし、会社としては、いつサチュレーションしても、おかしくはない。と思う。
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おお、こういう予想って、書くのたいへんだね。特に人の会社、市場について横から口をだすのは、気疲れする。ということで、後は、後日。