iPhone路上ライブを可能にする「Fingerist」と「あの楽器」の関係
トリニティ、バード電子、iPod Styleの共同ブランド「EVENNO」から生まれた、類を見ない新デバイス「Fingerist」。
・iPhoneストリートミュージシャンになれる「Fingerist」がCESデビュー
無事にCESでデビューし、海外サイトでも取り上げられるようになりました。
・Fingerist: Turn Your iPhone Into a Guitar(PC Magazineのブログ)
・Fingerist: gitaar met iPhone-houder [CES] (オランダのiPhone情報サイトiPhoneclub)
Mac系、iPhone系の飲み会が新宿のジンギスカン料理店で昨年の春先くらいにあって、それがきっかけとなって、iPhone路上ライブ必携デバイス「Fingerist」が生まれたということは、ITmedia Newsの記事にも書きました。でも、もう1つポイントがあります。
それは、「あの楽器」の存在です。
初音ミクが、PV「Innocence」の中で実在しない楽器を演奏したのを見た人たちが、「あの楽器」を作りたいという動きが生まれ、多数の技術者が、さまざまなバージョンを作り上げてきました。その中には、iPhoneを小型の「あの楽器」にみたてて実装した例がいくつも生まれ、そのうちいくつかは実際にApp Storeに並んでいます。
・初音ミクが弾く「あの楽器」をiPhoneで再現しようという試み
・iPhone版「あの楽器」から音が出た
・iPhone版「あの楽器」がApp Storeで公開された
・初音ミクが弾く「あの楽器」:iPhone版作者3人に会ってきた
この中には、ただ、あの楽器アプリを作るだけではなく、その筐体まで再現しようという人もいます。
「イノセンサー」の作者である白魚Pは、着々とその道を歩んでいて、昨年10月8日時点でここまで到達しています:
話は戻りますが、バード電子の斎藤さんの目の前でPocket Guitarを演奏してみせて、「あの楽器」というハードを作っている人がいるんだけど、ギターアプリに特化したハードウェアをどこか出してくれないですかね、という提案をジンギスカン料理を食べながらしていたわけです。
ジンギスカンでの飲み会が行われたのが、秋葉原で行われた「あの楽器」イベントのちょい後くらいでしょうか。
そのあたりの経緯は斎藤さんがおもしろく書いてくれています。
たしかにそのときは、そんな乗り気じゃないっぽいなあ、という印象でした(笑)
でも、ぼくが知らないうちにiPod Styleの戸津さんとトリニティの星川さん、そして斎藤さんがチームを組んでプロジェクトが進行していたんです。
プロトタイプはバード電子で作り、量産型をトリニティが、という分担になっています。なので、木製ハンドメイドのプロトタイプが先行して、若干高めの値段で少数販売されます。
その後、トリニティの星川さんが何度も中国に足を運び、改良していった量産品を発売します。こちらは値段が決まっていて、1万4800円(税込み)。
「あの楽器」を見て、自分がほしいと思ったものが、実際にハードウェアとして製品化される。「Fingerist」はPocket GuitarやiShredなどのギターアプリを想定しているので出来上がってきたものはぜんぜん別ものだけど、タッチパネルの楽器をギターのように下げて弾く、という意味では近い。
いつか、白魚Pが完成させた「イノセンサー(ハード版)」と「Fingerist」で共演したいです。