初音ミクがリアルワールドに侵入してきた
『ビジネス2.0』の視点の林さんが、「生身の人間で仮想空間を散策してみる」というエントリーを書かれています。仮想世界がリアルワールドと接点を持つ方法として、UWBを使うというのがおもしろいですね。
UWBといえば、その高精度測位を利用して、消防士がGPSの届かない閉鎖空間で安全に活動できるような「衛星を使わないGPS」が登場するそうです。
このように、位置測定と情報のオーバーレイを使って現実世界をより便利にしようとする動きは進んでいます。
エンターテインメント中心の仮想世界も、より現実の地図と密接にからむようになりました。クローズドβでローンチした「はてなワールド」がその典型的な例でしょう。
ペーパーマリオのようなペラペラのアバターが動く空間は、Google Mapsを3D化したもの。Second Lifeのような人工島だらけの地形とは異なり、リアルな土地の上を人々が行き交い、会話をするようです。
安藤さんが以前なぜ「ニコニコ技術部」は、楽しそうなのか?で書かれていたニコニコ動画技術部の最近の展開として、「これはすごい」と思わせるものが、ARToolKitを使った動画。
カメラを通して見た画像に、仮想的なオブジェクトをオーバーレイして表示させる技術なんですが、これが初音ミクの登場で、一気に加速しているようなのです。
15本中、11本が初音ミク関連。初音ミクは3Dデータの共有化が進んでいることや、どうしても現実世界に持っていきたいという欲求が強いことがあるのかもしれませんが、いきなり複数の人たちがARToolKitで初音ミクを現実世界にマッピングさせようとしています。
中でもこのムービーは悲しみまで漂う傑作となっています。
GPSとUWBを使った高精細なマッピング技術を待たずとも、PCの内蔵カメラやUSBカメラベースでここまで到達しているんですね。
この技術が広まる原動力となったのが、工学ナビのこの記事のようです。
・「攻殻機動隊」「電脳コイル」の世界を実現! - ARToolKitを使った拡張現実感プログラミング
GPS、UWB、マーカーを使ったマッピング、これらのすべてが組み合わせられたときに、われわれはどのようなコミュニケーションをするようになっているのでしょうか?
3D化といいVR(AR)といい、初音ミク関連はほんとうに「ぜひやりたい」と思わせるものが多すぎです。曲作りだけで手いっぱいなのに……。
とりあえず、きょうは物理的に会社のすぐそばにあるTRONSHOW2008で近未来を見学してこようと思います。