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「初音ミク、JASRAC登録」に対する公式見解

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 このブログのエントリー「初音ミク、JASRACデビュー」が発端となってかなり大きな騒ぎになってしまったわけですが、クリプトン・フューチャー・メディアの伊藤社長が鏡音リンの発売日についてのエントリーで、ユーザーからの質問に答える形でこの件に関してコメントされています。誤解のないよう、コメント全文を転載させていただきます。

こんばんは、クリプトン伊藤です。「みくみく~」のJASRAC登録の波紋が拡がってきましたので、説明責任を果たさせていただきます。

まず、私がこの事実を確認したのは、12/17(月)の午後、CloseBox and OpenPodからの記事でした。直ぐにドワンゴ・ミュージックパブリッシングという会社の連絡先を調べ、電話しましたが、担当者が不在のため折り返しの電話を待ちました。夕方5時半過ぎに連絡を戴きましたので、この件について説明を求めました。「何故JASRACに登録する必要があったんですか?」と。また、「アーティスト:初音ミク」という表記についての事前の相談はありませんでしたので、それに対する抗議です。

「初音ミク」という1つの音楽ソフトを通じて、才能あるクリエイターに正当な注目が集まることは大変喜ばしいことです。その様なクリエイターが多く育って、そして正当な対価を得られるようになることが、次のクリエイションを産むためには必ず必要です。しかし、現状の著作物利用料の分配の仕組みは、JASRACなどの仲介を得てはじめて実現するようです。例えばカラオケで「みくみく~」が配信されてますが、どれだけ歌われようが、JASRACなどの管理がなければ悲しいかな分配ゼロです。CGMの「入り口」として「ピアプロ」サイトを構築してますが、どうやら「出口」もしっかり用意せねばならない気がしてきました。

今回の件は、ドワンゴ社とも話し合う余地がありますので、弊社としても出来るだけ頑張ってみます。

 JASRACへの楽曲登録、特にアーティスト名としての「初音ミク」の使用についてクリプトンへの事前相談がなかったことは驚きですね。

 千を超えるオリジナル曲、2万5000人以上のクリエイターたちが住んでいる「巨大な井戸」から大海に泳ぎ出たときに不幸な目に遭わないような仕組みをぜひ考えだし、構築していただければと。

 伊藤社長が書かれているCGMの「出口」部分がどういうものになるかは分かりませんが、ピアプロを短期間でここまで育てた手腕に期待したいです。

関連記事:
初音ミク、JASRACデビュー
そろそろ初音ミクのライブを見たい
秋葉に棲む - みっくみくがJASRACされた?!(続きというか訂正?)
みっくみくの信託状況。


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 本当はこのエントリー、鏡音リンのデモソングに関するものにするつもりだったんですが……。速いパッセージでもいけそうなかんじで、やはりロックに向いてますね。8日後が楽しみですが、その前にミク曲をあげないとインパクトが薄れますね……。

追記1:ドワンゴ・ミュージックからの公式謝罪がありました。
「みくみく」JASRAC登録で「手違い」 ドワンゴ・ミュージックが謝罪

ただ、「ユーザー間での交流目的で使用する際にも使用料が発生してしまう場合がある」と認めているように、JASRACへの支払いは発生してしまうようですね。フルみっく伝染歌プレーヤーの「みくみく」削除判断は正しかったもようです。

追記2:追加記事書きました(2007-12-20)。
「初音ミク作家協会」が生まれるべきかも

追記3:栗原さんによる「みくみく×JASRAC×ドワンゴ」問題に関する解説が登場しています。ぜひお読みください。
JASRACと信託契約を結ぶ場合の課題について

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