データセンター市場は生成AIとGPU需要で過去最高成長
2024年は、データセンター向けハードウェアおよびソフトウェアの市場にとって記録的な成長を遂げた年となりました。Synergy Research Groupが2025年1月7日に発表した調査によると、2024年の世界全体のデータセンター支出は前年比34%増加し、過去最高に達しました。この成長の原動力は、特にパブリッククラウドインフラへの投資であり、48%増の急成長を遂げ、市場全体の55%を占めるまでになりました。
2024 Was a Boon Year for Sales of Data Center Gear - Thanks to Generative AI
生成AI需要が市場を牽引
これまでの5年間でわずかな成長にとどまっていたエンタープライズ向け市場も、2024年には21%の増加を記録しました。過去15年間、パブリッククラウドサービスの成長はクラウドインフラへの投資を促し、企業独自のデータセンターへの支出を抑制する傾向にありました。この流れは2024年も続きましたが、生成AIの需要が新たな推進力として市場成長を後押ししています。
クラウドプロバイダーおよび企業は、生成AIのワークロードをサポートするためにGPUの購入を加速させており、その結果、市場は急成長しています。特にNVIDIAは爆発的な成長を遂げ、サーバーおよびシステムベンダー経由だけでなく、ハイパースケールおよびエンタープライズクライアントへの直接販売を通じて、主要なデータセンター機器ベンダーの地位を確立しています。
2024年の市場規模と主要プレイヤー
2024年のデータセンターインフラ機器の総収益は2820億ドルに達し、そのうちパブリッククラウドインフラは1560億ドルを占めています。この数字は、2024年の第1~第3四半期の実績データと第4四半期のSynergyの予測に基づいています。
ハードウェアセグメントでは、サーバー、ストレージ、ネットワーキング機器が市場全体の85%を占めました。また、OS、仮想化ソフトウェア、クラウド管理、ネットワークセキュリティが残りの15%を構成しています。
ベンダー別では、ODMを除くと、サーバーおよびストレージ分野でDellがリーダーの座を維持し、パブリッククラウドプロバイダー向けサーバー販売ではInspurが明確なリーダーとなりました。ネットワーキングセグメントではCiscoが首位に立ち、サーバーOSおよび仮想化アプリケーションではMicrosoftが際立った存在感を示しています。さらに、NVIDIAはシステムベンダーへの供給およびサービスプロバイダーへの直接供給の両方で急成長しました。
その他の主要ベンダーには、HPE、Super Micro、Lenovo、VMware、Huawei、IBM、Arista Networksなどが名を連ねています。
今後の展望
Synergy Research Groupのチーフアナリストであるジョン・ディンスデール氏は、「2024年はGPUおよび生成AIシステムが市場に火をつけ、業界に記録的な成長率をもたらした」と述べています。また、「パブリッククラウドの継続的な成功は、15年以上にわたりデータセンター投資の主要な推進力であり続けている。しかし、2024年に2800億ドルを超える市場規模に達するとは誰も予想していなかった」と付け加えました。
さらにディンスデール氏は、「エンタープライズ市場が再び成長を遂げたことは喜ばしいが、長期的なトレンドは変わらない」と指摘しています。10年前は市場全体の20%に過ぎなかったパブリッククラウド向けの売上が、2024年には55%を占めるまでに拡大し、今後5年間でほぼ65%に達する見込みです。
今後も生成AIを中心とした技術革新とパブリッククラウドインフラの進化がデータセンター市場の成長を牽引していくと予想されます。
出典:Synergy Research Group 2025.1.7