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ガートナー、2025年のトップ10戦略的テクノロジートレンドを公表

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ガートナーは2024年10月21日、「2025年に注目すべき戦略的テクノロジートレンドトップ10」を発表しました。

Gartner Identifies the Top 10 Strategic Technology Trends for 2025

ガートナーのVPアナリストは

今年の戦略的テクノロジートレンドは、AIに関する不可欠な要素とリスク、新たなコンピューティングの領域、そして人間と機械の協調をカバーしています。これらのトレンドを追跡することで、ITリーダーは責任ある倫理的なイノベーションを通じて、自組織の未来を形作ることができるでしょう

と述べています。

「2025年の戦略的テクノロジートレンドトップ10」は以下のとおりです。

1. エージェンティックAI(Agentic AI)エージェンティックAIは、ユーザーが設定した目標を達成するために、自律的に計画を立て、行動を取るAIシステム。
本テクノロジーは、仮想労働力を提供し、人間の業務を補完する可能性。Gartnerは、2028年までに、日常的な業務における決定の15%がエージェンティックAIによって自律的に行われると予測。

2. AIガバナンスプラットフォーム(AI Governance Platforms)
AIガバナンスプラットフォームは、Gartnerが提唱するAIトラスト、リスク、セキュリティ管理(TRiSM)フレームワークの一環で、AIシステムの法的、倫理的、運用上のパフォーマンスを管理するためのテクノロジー。
AIの利用に対する透明性と説明責任を提供し、信頼性を高める役割を果たし、2028年までに、包括的なAIガバナンスプラットフォームを導入した企業は、AIに関連する倫理的な問題が40%減少すると予測。

3. ディスインフォメーションセキュリティ(Disinformation Security)
ディスインフォメーションセキュリティは、信頼性を識別し、情報の真正性やなりすましを防ぎ、有害な情報の拡散を追跡するための新しいテクノロジーカテゴリ。
ガートナーは、2028年までに、企業の50%がディスインフォメーションセキュリティを目的とした製品やサービスを採用すると予測。

4. ポスト量子暗号(Postquantum Cryptography)
ポスト量子暗号は、量子コンピュータによる解読リスクに耐性のあるデータ保護テクノロジー。
量子コンピューティングが進展するにつれて、従来の暗号技術が安全でなくなり、2029年までに、量子コンピューティングの進化により、従来の非対称暗号の大半が安全でなくなると予測。

5. アンビエント・インビジブル・インテリジェンス(Ambient Invisible Intelligence)
アンビエント・インビジブル・インテリジェンスは、超低コストのスマートタグやセンサーを活用し、大規模な追跡やセンシングを可能に。
2027年までには、小売業の在庫管理や生鮮食品の物流などの分野で、リアルタイムでの追跡やセンシングが実用化され、効率性を向上させると予測。

6. エネルギー効率の高いコンピューティング(Energy-Efficient Computing)
AIトレーニングやメディアレンダリングなど、計算集約型のアプリケーションは、IT組織のカーボンフットプリントに大きな影響。
2020年代後半には、光学的コンピューティングやニューロモルフィックコンピューティングなど、エネルギー消費を大幅に削減できる新しい技術が登場する見込み。

7. ハイブリッドコンピューティング(Hybrid Computing)
ハイブリッドコンピューティングは、異なる計算、ストレージ、ネットワークメカニズムを組み合わせて問題を解決する新たなパラダイム。
本テクノロジーはAIや最適化技術の限界を超えることができる革新的な環境を提供し、従来の環境よりも高い効率性を実現。

8. スペーシャルコンピューティング(Spatial Computing)
スペーシャルコンピューティングは、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)などの技術を使って、物理的な世界をデジタルで強化。
ワークフローの効率化やコラボレーションの強化が期待されており、Gartnerは2033年までに市場規模が1.7兆ドルに達すると予測。

9. ポリファンクショナル・ロボット(Polyfunctional Robots)
ポリファンクショナル・ロボットは、複数のタスクをこなすことができるロボットで、単一のタスクに特化したロボットに取って代わる存在。
効率が向上し、迅速な投資回収が可能となります。2030年までに、人間の80%がスマートロボットと日常的に関わるようになると予測。

10. 神経強化(Neurological Enhancement)
神経強化は、脳活動を読み取る技術を用いて人間の認知能力を向上させるテクノロジー。
アップスキリングや次世代のマーケティング、パフォーマンス向上に大きな影響を与えると期待。
ガートナーは、2030年までに、30%のナレッジワーカーが脳機能強化技術に依存すると予測。

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