2020年のクラウド基盤サービス市場は8,500億円、2024年には1兆7,000超の市場に
矢野経済研究所は2021年9月7日、「国内のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場」を公表しました。
2020年のクラウド基盤サービス市場は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、サービス分野によっては一時的に成長が鈍化したものもあったとしています。
一方、従来市場を牽引してきた基幹系システムなどのクラウドへのリフト&シフトは、長期的かつ大規模な案件のため停止や延期になったものもありますが、予算の確保が出来ていた企業等では予定通りに進み、市場への大きな影響はなかったとみています。
一年を通してみると、リモートワークの進展や、DXなど変化に迅速に対応できるシステム環境の構築、動画サイトやECサイトのトラフィック急増によるオーケストリング機能への需要増加などにより、2020年のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場規模は、前年比123.2%の8,500億円になったとしています。
出典:矢野経済研究所 国内のクラウド基盤(IaaS/PaaS)サービス市場 2021.9
クラウド基盤サービス市場は、今後もDXへの投資の活発化や、データ利活用のプラットフォームとして、またハイブリッドクラウド環境の容易な構築、BCPなどユーザ企業の災害対策意識の向上を背景として、順調に成長していくと予測しています。
既存インフラをIaaSに移行するケースはさらに増えていくと考えるが、今後、市場成長の鍵となるのがDXと公共分野における利用の拡大としています。
2020年10月に総務省による第二期政府共通プラットフォームがAWS上で運用開始されることが発表されました。中央省庁をはじめ、公共分野におけるホワイトスペースは大きく、今後他社クラウドサービスの導入も進む可能性は極めて大きいとしています。
企業は、競争力の維持・向上のため、民間企業はDXに取組むことが急務になっていますが、社内情報システムの複雑化などを理由にDXが思うように進められないユーザ企業等も多いことをあげています。
そのため、クラウド関連ベンダには情報システムの在り方について上流工程から伴走できる力が求められており、SIerやコンサルティング企業との協業が、クラウド基盤サービス市場の成長加速に貢献していくとしています。