経済産業省が目指す「次世代グリーンデータセンター」の開発
経済産業省は2021年7月30日、「第3回 産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会 産業構造転換分野ワーキンググループ」を開催しました。
今回は、「次世代デジタルインフラの構築」プロジェクトに関する研究開発・社会実装計画(案)の中から、経済産業省が目指す次世代グリーンデータセンターの開発について、とりあげたいと思います。
次世代グリーンデータセンターの開発では、2030年までに、
①光エレクトロニクス技術の開発
②光に適合したチップ等の高性能化・省エネ化技術の開発
③ディスアグリゲーション技術の開発により、データセンターの40%以上の省エネ化を実現
を目指しており、NTTグループが推進しているIOWN構想と連携していくとしています。
出典:経済産業省 第3回 産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会 産業構造転換分野ワーキンググループ 2021.7.30
データセンターは多数のサーバを搭載したラックを、数万~数十万台接続して構成されています。本プロジェクトでは、まだ光化されていないラック内、サーバ内を対象としており、ネットワークを構成するスイッチ装置、伝送路は対象外としています。
サーバ内においても、主要な要素デバイスのうち日本企業に強みがあるものを対象としており、GPU、FPGAなどは対象外としています。
出典:経済産業省 第3回 産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会 産業構造転換分野ワーキンググループ 2021.7.30
データ流通量の増大に伴うデータセンターの消費電力増大、サーバ市場における構造変化等の中で、サーバの各要素デバイス・システムで世界のトップランナーとなるために必要な省エネ性能にかかる目標を設定しています。
開発要素のうち、光電融合デバイスは実施者の裨益が相対的に小さく、波及性が大きい基盤領域であるため委託での開始を想定しています。
2025年には、大阪・関西万博も活用しながら中間成果を世界に発信し、国内外からの注目や投資を呼び込み、社会実装に向けた取組を加速化していくとしています。
研究開発目標とのその考え方は、
目標:2030年までに、
①光エレクトロニクス技術
②光に適合したチップ等要素デバイスの高性能化・省エネ化技術
③ディスアグリゲーション技術を開発し、データセンター全体の40%以上の省エネ化を実現
これらは、サーバの要素デバイス(光電融合デバイス、光ネットワークインターフェースカード、CPU、アクセラレータ、メモリ、ストレージ)およびディスアグリゲーション技術に対して、それぞれ省エネ性能目標を割り当て、合算してデータセンターあたり40%以上の省エネ化を目標とし、各技術を組み合わせた実証により、その達成度を評価するとしています。
各技術開発を担う複数の事業者が一体的に取り組む必要があるため、共同での提案を想定しています。
次世代グリーンデータセンターの実施スケジュールは以下のとおりです。
出典:経済産業省 第3回 産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会 産業構造転換分野ワーキンググループ 2021.7.30
出典:経済産業省 第3回 産業構造審議会 グリーンイノベーションプロジェクト部会 産業構造転換分野ワーキンググループ 2021.7.30