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実社会におけるガバナンス・オブ・ガバナンス

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経済産業省は2021年7月30日、「GOVERNANCE INNOVATION Ver.2: アジャイル・ガバナンスのデザインと実装に向けて」報告書を公表しました。

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出典:経済産業省 「GOVERNANCE INNOVATION Ver.2: アジャイル・ガバナンスのデザインと実装に向けて」報告書 2021.7

日本はAIやIoT、ビッグデータなど、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させるシステム(サイバー・フィジカルシステム)により、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会、「Society5.0」を目指しています。

Society5.0の実現に向けて、革新的な技術の社会実装を進めるには、新たな技術がもたらす社会構造の変化を踏まえた、ガバナンスモデルの根本的な改革が必要であるとしています。

経済産業省に設置された「Society5.0における新たなガバナンスモデル検討会」(以下、「本検討会」)では、2020年7月に、「GOVERNANCE INNOVATION:Society5.0の実現に向けた法とアーキテクチャのリ・デザイン」報告書を公表しました(以下、「第1弾報告書」)。

本報告書は、この第1弾報告書の成果を踏まえつつ、「サイバー・フィジカルシステム(CPS)を基盤とする社会の特徴」や「ガバナンスの目的」といった点に検討を加えた上で、Society5.0を実現するために必要となる「アジャイル・ガバナンス」の考え方をモデル化し、社会全体のガバナンス改革のグランドデザインを示しています。

変化し続ける社会とゴールをガバナンスしていくため、様々な社会システムにおいて、「ゴール設定」「システムデザイン」「運用」「説明」「評価」「改善」といったサイクルを、マルチステークホルダーで継続的かつ高速に回転させていく「アジャイル・ガバナンス」の実践が必要であるとしています。

さらに、何層にも折り重なるガバナンスのメカニズムを整理する「ガバナンス・オブ・ガバナンス」です。

Society5.0を実現するためには、社会の様々なガバナンスメカニズムにおいて、アジャイル・ガバナンスを実現していくことが求めらています。

実社会のガバナンスは、これらの個々のガバナンスメカニズムが折り重なり、相互に影響し合うことで成立している。そのイメージを以下のように図示しています。

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出典:経済産業省 「GOVERNANCE INNOVATION Ver.2: アジャイル・ガバナンスのデザインと実装に向けて」報告書 2021.7

このように様々なガバナンスモデルが相互に関連していく中で、社会全体において第3章で述べたようなゴールを達成していくためには、「複数のガバナンスメカニズムをどのように組み合わせて目的を達成するか」というガバナンス全体の見取り図(ガバナンス・アーキテクチャ)を設計していく必要がある(ガバナンス・オブ・ガバナンス)としています。

こうした複雑なガバナンスを実現するためには、個々の機能に関する専門知識、及び個々のガバナンスメカニズム(企業・法・インフラ・市場等)に関する専門知識が必要で、様々な分野の専門家やステークホルダーが関与できるような、公的かつオープンな専門機関の設置と運用が重要になっていくと考えられるとしています。

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