DX解説(38)DX推進サービスの利用が最も多いのがビジネス変革支援、続くのがデジタル技術活用の支援
IDC Japanは2021年3月24日、「国内DX支援サービスの需要動向調査結果」を公表しました(2021年1月調査)。
本調査によると、DXイニシアティブにおいて、ビジネス変革支援サービスがもっとも多く、続くのがデジタル技術活用の支援となっています。
本調査によると、国内大企業におけるDXイニシアティブの約8割において、何らかの支援サービスを利用しており、中でも、「ビジネス変革支援」を受けているとの回答が、全体の52.6%ともっとも多くなっています。
また、IoT活用の支援やSNS/ソーシャル技術の活用支援、サイバーセキュリティ支援などを含む「その他のデジタル技術活用の支援」が38.2%、「デジタルマーケティング/デザインの支援」が28.9%、「データ分析/AI活用/自動化の支援」が28.4%でこれに続いています。
Q. DXへの取り組みで利用している外部事業者による支援サービスの内容は何ですか?
出典:IDC Japan 国内DX支援サービスの需要動向調査結果 2021.3
1位となった「ビジネス変革支援」の内容を具体的にみると、
「DX人材の育成/リスキルの支援」
「業務プロセスの変革/BPR(Business Process Re-engineering)の支援」
「デジタル戦略の策定/デジタル事業開発の支援」
が、高い利用率となっています。
また、DXイニシアティブで実際に支援サービスを受けている最重要パートナーをたずねた調査結果では、
1位が「コンサルティングファーム」
2位となった「SI事業者/ITサービスベンダー」
3位となった「ITハードウェアベンダー」
と続いています。
ビジネス変革支援に向け、コンサルティングファームのパートナーとしての重要性が高まっています。
IDCでは、国内企業のDXへの取り組みが着実に進展する中で、技術支援主導型ではなく、ビジネス視点からの変革主導型の支援サービスの需要は今後も高まっていくと予測しています。
また、IDCでは、具体的な利用サービスは、DXイニシアティブの進行状況、主導部門、産業分野別に大きく変化する/異なることも明らかとなっており、支援サービスを提供する事業者はこうした変化/違いに応じた支援を顧客企業に提供していくことが重要となると指摘しています。
IDCでは、
DX支援サービス事業者は、多岐にわたる支援サービスを、どの段階で、どの部門に対し、どのように提供していくかといった、DXジャーニーに伴走し続ける視点でオファリングを組み立て、必要に応じて他の事業者との連携を強化することが求められる
と分析しています。
こういった状況の中、ユーザ企業、そして、コンサルやベンダはどのような取組をしていくか、難しいテーマだと思います。