DX解説(31)組織としてデータを守り、データ活用を推進する
企業がデータを活用していく上で、企業の資産であるデータを守ることが重要となります。
そのためには、データガバナンスを組織体制を構築することが重要となってきます。
データを資産としてマネジメントし、あらゆるレベルでデータマネジメント活動を導くための原理原則、ポリシー、プロセス、フレームワーク、メトリクス、監督を提供する組織や機能となります。
データガバナンスの目的は、
・データの定義・ルールの策定
・ルールを守る仕組み
・チェックできる仕組み
などをあげています。
データガバナンス組織と役割では、以下のようにそれぞれ、整理しています。
データガバナンス運営委員会
全社のデータガバナンスの監督・支援・予算に責任を持つ
データガバナンス評議会
データガバナンスの取組み、課題、報告を管理する
データガバナンスオフィス
企業レベルのデータ定義とデータマネジメント標準に焦点を当て、調整・推進を担う
※データスチュワード データを預かり、利用方法の決定や監視を行う人や部署
出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12
一方、データガバナンスだけでは、データを守るだけになり、データを業務改善に使うということが中心になってしまうということが想定されます。
データを業界を超えた利用によるデータのサプライチェーンや、データを活用できるようするデータイネーブルメント、そして、データを活用して新しいイノベーションを起こしていくデータイノベーションといったように、データを攻めるために活用していくことが、企業が競争力の優位性を高めていく上で重要となるでしょう。
データマネジメント知識体系ガイド(DAMA-DMBOK2)も紹介されています。
DAMAが発行しているDMBOKでは、アーキテクチャからオペレーション、組織変革のプロセスについてまでデータマネジメ ントに関する事項が幅広く記載されている。データガバナンスを基軸に詳細が列挙されており、データをセキュリティ面でも 品質面でも守る組織作りの参考となるとしています。
出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12
※経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ」(2020年12月28日)を公表しており、この資料からも適宜引用しています。