DX解説(27)失敗するPoC
データ活用やデジタルトランスフォーメーションへの意識の高まりから、多くのPoCが実施されるようになっています。
DXを推進していくためには、まずはPoCからというケースはよく目にすることが多いでしょう。
しかしながら、多くのPoCはこなすものの、組織として成果へ繋げることができず、PoCのみで終わってしまうケースも多々みられています。
いわゆる、PoC貧乏という言葉も聞かれるようになっています。きちんと積み上げていく意識がなければ失敗するPoCとなってしまうという指摘もあります。
まずは、小さなプロジェクトの成功体験を積み上げることです。
経営層はゴールイメージを持ち、その上で取り組むべきPoCを優先順位付けする必要があるとしています。
PoCの実施している過程の中で、試行の結果見込みが外れた場合でも、仮説の間違いを見直せば検証としては成功としてとらえることもできるでしょう。
仮説検証は非常に重要ですが、効果がでないための方向性の見直しもポイントとなっていくでしょう。
小さな組織からはじめ、最終的には、全社最適の視点で展開していくことが重要です。
いくつもPoCを実施しているが、業務改善やビジネス創造につながらないといったことにもなりかねません。
適切にPDCAを回してPoCを活用していけば、目指すゴールが見えると示していますが、なかなか難しいところもあるかと思います。
いずれにしても、一足飛びにDX推進ではなく、段階的にステップを踏んで、デジタル企業へと転換を図っていくことが重要となるでしょう。
出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12
※経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ」(2020年12月28日)を公表しており、この資料からも適宜引用しています。