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DX解説(24)DXを担うIT人材の給与水準と米国との処遇比較

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経済産業省は2021年2月4日、「第1回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」を開催しました。

今回は、この中から、デジタル人材政策の課題についてとりあげたいと思います。

大手求人サイトの情報をもとに経済産業省情報技術利用促進課が作成したまとめでは、DXを進めているユーザー企業においても、IT人材の給与水準は、全社的な給与水準とほぼ変わらない傾向が見られるとしています。

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出所:経済産業省 第1回 デジタル時代の人材政策に関する検討会 2021.2

一方、米国等の海外では、AI・データサイエンス等に関する高いスキルを持つデジタル人材の採用の際に、高額の報酬水準を提示する例が増えており、こうした流れを受けて、日本でも、優秀なデジタル人材の新卒・中途採用を行う際に、通常よりも高い報酬水準を設定する例がみられるようになっています。

以下に示す事例のうち、特に高いデジタル技術を持つ新卒人材に対して1,000万円以上を提示する可能性がある企業事例は、一律初任給・年功序列などの日本の伝統的な給与体系が崩壊しつつある事例として、注目を集めているとしています。

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出所:経済産業省 第1回 デジタル時代の人材政策に関する検討会 2021.2

IT人材の処遇国際比較をみてみましょう。

日本のIT関連産業においては、「能力・成果重視型」の企業で最高水準の年収を達成したとしても、「年功序列型」企業での最高水準の年収を達成した場合と比べて大きな差が出ているわけではないと指摘しています。また、「能力・成果重視型」企業における最高水準と最低水準の差も、2倍未満に留まり、米国と比べると圧倒的に低い状況となっています。

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出所:経済産業省 第1回 デジタル時代の人材政策に関する検討会 2021.2

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