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DX解説(22)ビジネスに必要なデータをどう取得するか

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データをビジネス判断に用いるにあたり、 PoC(Proof of Concept)を有効に運用することが肝要となる。ただし、PoC貧乏やPoCなどでの失敗事例も多く、ビジネスやユーザビリティの視点から検証事項を設定し、必要最小限のIT開発を行って解決手段を見出す、ビジネスとIT両輪での検証が求められています。

ビジネスの視点では、競合調査やビジネス成長予測、そして、この取組が収益につながるか、といったこともポイントとなります。

ユーザの視点では、サービスのコンセプトを定義し、ユーザーからの評価を得た上で、効果的なプロモーションを行っていく必要があります。

これには、判断材料となるデータが非常に重要となります。

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出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12

次に、検証事項の設定と実現性の確認です。

PoCで検証する事項はビジネスの試算やユーザー/市場の反応などを踏まえ、検証事項に対してビジネス判断に用いるアウトプットが出せるかという視点を持ち、データや手法などITの実現性を確認する必要があるとしています。

データの活用では、まず、データの取得です。データを取得した上で、必要なデータ量や種類、データの精度や品質を確認・整理する必要があります。その上で、データを活用できる環境にする必要があります。そのためには、分析手法を考え、利用ツールや処理能力を踏まえた上で、予測精度をあげていくことがポイントとなります。最終的に重要となるのが、利用可能な形でアウトプットされているかということです。収益やコスト、需要、アクセス数、活用効果といっったように、ビジネス判断や経営に役立つデータであるか、がとても重要となってきます。

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出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12

PoCによって検証するスコープは、業務、組織内での関連する業務プロセス、組織を超えたエコシステムやビジネス領域、さらには社会、と様々である。スコープによって仮説検証にはどのようなデータが必要でどのように集めるのか変化していくため、どのスコープでの検証を実施するのかを事前に明確にしておく必要があるとしています。

また、既に企業内に蓄積しているデータがある場合も必ず、ビジョンありきでの活用を検討する必要がある。データがあるから活用方法を模索するのではなく、ビジネスに活用したいデータを収集するために既存データを把握するといったこともポイントとなるます。

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出所:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ 2020.12

※経済産業省は「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会 中間とりまとめ」(2020年12月28日)を公表しており、この資料からも適宜引用しています。

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