国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場、クラウドは重複領域拡大による成長基調で2023年には3兆5,139億円に

調査会社のIDC Japanは2019年6月13日、「国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場予測」を発表しました。

国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場は、クラウド向け、ビジネスアナリティクス（BA）向け、エンタープライズモビリティ向け、ソーシャルビジネス向けの4分野について、各分野（分野間の重複を含む）の単純積み上げの総額で、2018年には1兆4,647億円に達したとしています。

出所：IDC Japan 2019.6

同市場は2018年～2023年の年間平均成長率（CAGR：Compound Annual Growth Rate）28.4％で、2023年には5兆1,025億円に達すると予測します。予測期間の後半になるほど4分野間における重複領域は拡大し、特に「クラウド向け」と他領域の重複領域は広範に渡っています。

国内クラウド向けITサービス市場は、2018年の支出額が前年比41.8％増の7,238億円となっており、先進的企業」ではない多数派企業のクラウド活用が浸透し、外部サービスベンダーによる支援が拡大しており、マネージドクラウドサービスの伸長も顕著となっています。

2020年以降、既存システムではなく、新たなワークロードをもたらすデジタルトランスフォーメーション（DX）への取り組みが徐々に拡大し、同市場は2018年～2023年のCAGR 37.2％と、高い成長率を維持し、2023年には3兆5,139億円に達すると予測しています。

国内BA向けITサービス市場は、国内DXイニシアティブにおける新たなデータ活用に関わるBAサービス案件が拡大しています。2019年以降も、クラウドやAIといった各技術分野の発展がBA向けITサービス市場の発展に相乗効果をもたらしつつ拡大し、同期間のCAGR 15.5％で拡大すると予測しています。

国内エンタープライズモビリティ向けITサービス市場は、同期間のCAGR 17.9％、国内ソーシャルビジネス向けITサービス市場は、同期間のCAGR 26.4％でそれぞれ拡大すると予測しています。

国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場は、クラウド向けITサービスを中心に2023年まで高成長を維持し、DXの支援におけるビジネス目的駆動型の案件が拡大する中、技術分野間の重複領域の拡大や、ビジネス領域のサービスとの緊密な連携が進むと予測しています。

IDC Japan では、今後サービスベンダーは、第3のプラットフォーム向けITサービスと連携して提供する能力を強化することが、より重要になると指摘しています。