IoTで注目を浴びるエッジコンピューティング、クラウドコンピューティングと並ぶ重要概念に
調査会社のIDC Japanは2016年9月2日、「国内エッジコンピューティング市場分析結果」を発表しました。
IDC Japanでは、広域に分散したモノや人をICTで連携させ社会やビジネスの効率を高めるには、IoT(Internet of Things)デバイスと、IoTデバイス間でコンピューティング処理を行うエッジコンピューティングが必要であるとしており、IoTデバイスから遠く離れたクラウドコンピューティングだけでは不十分であるとしています。エッジコンピューティングは、ネットワークコストを抑えレスポンスのリアルタイム性を高めることができ、IoTにおいてその重要性に再び注目が集まっている点も照会しています。
IoTで利用されるエッジコンピューティングの特徴として、
IoTデバイスから生成された膨大なデータを処理する「アナリティクス志向」
システム全体にインテリジェンス機能を分散し、連携させることによる「システムの機能分散による全体最適化」
エッジ間でデータを流通させることで、データを利活用する新たなソリューションとビジネス機会がつくる「異なるエッジ間で連携」
の3つをあげています。
また、エッジコンピューティングは、エッジのロケーションによって、オンサイト型と広域ネットワーク内型の2つに分類しています。
出所:IDC Japan エッジの場所によるエッジコンピューティングの分類 2016.9
IDC Japanでは、エッジコンピューティングは、IoTデバイスとクラウドコンピューティング間の中間システムといった程度にとどまっているが、今後、データを利活用するための基盤としても、エッジコンピューティングの重要性は高まり、エッジコンピューティングが将来データ流通基盤として重要な役割を担っていくことを認識していく必要性を指摘しています。