国内企業におけるOpenStackの導入状況に関するユーザー調査 〜IDC Japan
調査会社のIDC Japanは2016年5月11日、「国内企業のITインフラにおけるOpenStackの導入状況に関する調査結果」を発表しました。
IDCの調査によると、サーバー仮想化を実施している国内企業に対してOpenStackの導入状況の調査によると、「すでに本番環境で使っている」の回答が7.0%となり、前回調査の4.5%から3.5ポイント上昇しています。今回は、「使用する計画/検討がある」の回答割合が前回調査の5.2%から大きく上昇し17.9%になり、導入に向けて具体的な動きが出てきており、具体的な導入を計画/検討するフェーズへ移行する段階となっています。
ICT企業では「すでに本番環境で使っている」の回答割合が8.2%、「試験的に使用し、検証している」が10.8%、「使用する計画/検討がある」が20.5%と、合計で約40%のICT企業がOpenStackの導入に向けて取り組んでいる状況となっています。
また、No-ICT企業では本番環境で使用、検証中、計画/検討の回答を合計すると約30%の企業が、OpenStackの導入に向けて取り組んでいる状況で、多くのNon-ICT企業での導入に関してもOpenStackへの期待が高まっています。
OpenStackを本番環境で使用、検証中、計画/検討している企業に対して、OpenStackに期待する効果に関する質問では、
- 「クラウド基盤の運用の効率化」:25.7%
- 「クラウド環境の構築の迅速化」:21.7%
- 「アプリケーション開発の迅速化」:21.1%
- 「自社エンジニアのスキルアップ」:19.7%
となっており、OpenStackはクラウド基盤の運用効率化に加え、スピード向上に対する期待が高い状況となっています。
一方、OpenStackに関するスキルのあるエンジニアの不足が課題となっており、年2回のバージョンアップへの対応の不安もあがっています。
出所:IDC Japan 国内企業のITインフラにおけるOpenStackの導入状況に関する調査結果 2016.5.11
IDC Japanの調査や、ユーザ企業の導入事例、OpenStack Summitやコミュニティの状況などをみると、OpenStackを採用する事業者やユーザ企業は確実に増加しており、今後もOpenStackはクラウドの領域において、大きな位置付けを占めることになるでしょう。